第3話 Wデート

僕の名前は瑠璃祭るりまつりネオン。

幼馴染の千里せんりナリアに恋心を抱いている。

だが相手は僕のことを幼馴染以上には思っていないらしく、

よくわからない関係になっている。

そんな日々が続いていた。

ところが、友達の大柚おおゆずヒルガオに

水族館でのWデートに誘われてしまった。


あれから約二週間。

水族館まで電車で行くことになったため、

住んでいる地区の最寄りの駅で待ち合わせになった。

待ち合わせ場所には僕が最初に着いた。


その後すぐに、

「おまたせ〜」

ヒルガオとナリアが一緒に来た。

「はやいね〜」

ナリアが言う。

するとその後すぐに碧本あおもと輝人きらとがきた。

「え、最後かよ。まだ待ち合わせまで十分もあるのに。」

「まぁまぁ、そんな日もあるって〜」

大柚からは輝人の事が好きだというオーラを全く感じない。

流石だ。


そんなこんなありながら、約三十分後、水族館についた。

到着するとすぐに、

「さ〜て、おっと〜、あれは『カップル割引チケット』だと〜?

 あれを使えば入場料がすごく安くなるぞ〜?」

大柚、白々し過ぎるぞ。

大柚が指を指したのは、夏休み限定で、

カップルに割引が適応されるというものだった。

こいつ、しっかり調べてやがる。


「わぁ〜、でも私達四人だからな〜?

 どうする〜ネオン〜?」

これが、輝人と大柚が一緒になるように仕向けろってやつか。

「ソウダナ〜、ソコノフタリ、ナカヨサソウダカライッショニイケバ〜?

 ボクトナリアハ、オサナナジミダカラベツニイイケド〜?」

やっぱり僕は演技に向いていない。

横にいるナリアに聞いたのだが、少し顔が曇っている。

「僕と一緒、嫌?」

少し不安になって聞くと、

「違う!なんでもない!私はネオンと一緒でもいいよ」

良かった。

「そっちがそれがいいなら私達もそうしますか!」

大柚、お前元気だな。

「輝人、いいよな?」

僕が聞くと、

「お、おぅ。」

輝人が何か言いたそうだが、なんとなく内容が分かる。

「じゃ、そゆことでチケット買いにいきましょ〜」

大柚が仕切り、チケットを買った。


「ここからは別行動だね〜。

 お互いに、レッツg..」

「その前にちょっと待って。」

輝人が名乗り出た。

そのまま僕に近寄り、耳元で

「お前、明らかに仕向いたな?白々しいぞ?」

言ってくるだろうとは思っていたが、僕の大根演技には触れないでくれ。

「まぁまぁ、今回は運が良かったってことで行ってらっしゃい!」


「それじゃあ、お取り込みも終わったってことで、

 改めて、レッツゴー!」


運命の二人行動が開始したのであった。

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