8話 壊れてしまった彼に
「その後は病院で目が覚めて、警察に説明された。
…とても信じられるようなものじゃなかったけど。
そこからの僕は死んでいたと思う
何もしたくなくて、前まで通っていたからと言う理由で高校に通い続けて、疲れたんだよ。
だからあの日死のうとした。1年、持った方でしょ。そうして君に会った。」
そう言う彼の笑い方は壊れていた。
彼は耐えきれなかった。
私みたいに過剰な憎しみを復讐心に変換できずに溢れてしまい壊れてしまった。
別に感情がないってわけではないと思う。
だけど大事な部分がスッポリ抜けてしまった。
そんな彼を見て私は
「……何をしてるの?」
彼のことを抱きしめていた。
「慰めのつもり?」
「ううん、私がしたかっただけ」
すると彼は私の胸に顔を埋めて
「意味わかんない…」
そう言って泣いていた。
彼は感情の整理ができていなかったのだ。
だったら私がすることはその手伝いをすることだけ。
彼はそのまま数十分泣き続けた。
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