3話 その復讐劇、手伝いましょう。

「夢だと思いたかった。

でも朝になって目が覚めるとそこにあるのは大切な家族の無残な姿。

すると電話が一つかかってきた。学校からだった。時計を見ると9時を過ぎていた。

連絡もなかったので電話したのだろうね。電話に出るとどうしたのかと聞かれたので、家族が死んでいることを伝えると電話に出た先生は声からしっかりと伝わったのでしょうね。

警察を呼ぶから、家で待機していろと言われたわ。

でもそこにいたくはなかったからリビングから移動したの。

そして私は警備室に行った。

私の家はまあまあ大きかったからついていたのを撤去する意味もなかったからそのまま家にある防犯カメラを見れるようにしたあったの。

もしかしたらそこに犯人が映っているかもしれないと期待を込めて。

実際見てみるとなんと当たり。血まみれでカメラの前を通る男が映っていたわ。顔もしっかり映っていたの。

けれどね、私思ったの。

これを警察に渡せばすぐにでも捕まるでしょう。でもね渡したくなかった。私の家族を奪ったのだから、私の手で殺したかった。

だから私は映像のコピーをとって、その部屋のデータを消した上で破壊した。それから私はその男に復讐するために動いてきた。

だけど私は学生。男のことを調べようにも高校生にできることなんてたかが知れている。

そしてそのまま情報も得られず1年が経過した。

どうしようか悩んでいたところにあなたを見かけたの」 


復讐…か


「それで…どうかな?」


復讐の意味なんてただの自己満足の一環だ。


ほとんど得られるものはない。


「いいよ」


「え?」


でも、やった側はスッキリするだろう。


ああ、いいよ。付き合ってあげる。


どうせ死ぬつもりだったんだ。理由が聞きたかっただけだからな。


理由が聞けたら十分だ。


だから


「その復讐劇、手伝いましょう。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る