2話 簡単に壊れる日常

私の家は裕福だった。


家族は両親と弟がいて小説みたいに仲が悪いわけではなかった。なんならいい方だと思う。


私も家族が大好きだった。


朝起きてお母さんが作った朝食を食べて学校に行く。帰ってきた後、小学生の弟と遊んであげる。両親が帰ってきたら、みんなで夕食を囲んで、その後就寝する。


こんな日常。それが私は大好きだった。そしてこれがずっと続くと思ってた。


だけど…




ある日、私は委員会の仕事がたてついてしまい、帰るのがだいぶ遅くなってしまった。仕事が終わると私は小走りで家へと帰った。


そうしてドアの前に着いて鍵を開けようとした時に違和感に気がついた。ドアが少し開いているのだ。


私は不思議に思いドアを開けると下についているドアストッパーが出っ放しになっていた。両親がそのままにしていたんだろうか?


靴はあったので両親は帰ってきている。私はドアを閉めて、自分の部屋に荷物を置いてリビングへと行った。


そして私はリビングのドアを開けた。


そこに広がっていたのは地獄と言えるものだった。


家具や壁の至る所に血が付着しており、そこに血溜まりを作って倒れている父と母。


そして、窓ぎわには弟の死体が転がっていた。窓から逃げようとしたのかな。


そんな光景を見て私は理解が追いつかなかった。


朝まで元気にしていた家族が屍となって転がっている。


その事実に耐えきれず、私は気を失ってしまった。

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