48話 もぉいいか まぁだだよ

 

  「だからさそんな狼藉者相手にしてる状況じゃないって」

 「動ける?」

 

 「動けん」

 「コントローラー入力がまったく受け付けん」


 「ぉ い か」


 モンスターが近づいてきて、何か言っている。

 もぉいいかと言ってるような気がする。


 ふぅむ。成程。つくづく関心させられてしまう。

 そうやって、拷問の前に心の準備は出来たか。

 これから拷問するぞと予告する事で、恐怖心を与えようとしてきてるのだ。

 突然拷問が始まったとしてみろ。

 それは驚きはしても怖いではないだろう。


 「まぁだだよ」

 

 「下女よ。そんな事を言っても拷問は待ってもらえないものだ」

 「覚悟はできたかとかそういうのは、出来ていてもできていなくても関係なく」

 「拷問はもうそのまま行うよ」

 「そういう意図を含んでいるんだ」

 「貴様は古角家に小学校に通わせてもらっているのだから」

 「その程度の教養はたしなんでおけ」

 「下女は給金で映画も見にいけないのか」

 「恥ずかしいやつめ」

 「今度小遣いをやるから、学校の友達とでも見にいくといい」


 「今度保次郎一緒にいこうよ」


 「下女の分際で僕と席を隣り合えると思うな」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る