第36話
「刀メインのゲームじゃ、打刀男子の俺が有利すぎる」
「関係ないだろ」
「武器男子の君が実際に武器の刀の扱いに長けてるかどうかなんてわかりやしない」
まだ、僕は双口が刀を使ったゲームを見ていない。
コイン落としゲームは手慣れているようだった。
今までのマイマスターとの経験が、残されているのだろうか。
「というわけで」
「ゲームはダンジョンを進みながら銃と近接武器の取得強化。
魔法の習得強化をしながら進んでいくゲームでいいだろうか」
「かまわない」
「かまわないって事はないんじゃないか」
青年が口を挟む。
しかし、彼が今ここで挟めるのは口だけだ。
もうしわけないとは思う。
ごめんなさい。
今ここで、知略口術は必要ない。
「どんなゲームでも」
「どんなゲームでもいいならさ、コイン落としゲームを」
「勝つのは」
「僕」
「俺」
「だ」
「お兄さん、ごめん。コイン落としゲームは一旦中断」
「おにぃさん、悪いね。こいつは言っても分からないらしい」
「展開が理不尽だぁぁぁぁ!」
<GAME STAART>
自キャラを左スティックで動かし、落ちているハンドガンを拾う。
{落ちてるハンドガン
威力:50 弾数 7 無限にリロード可能。
ステージ開始時に置かれているハンドガン}
その場のノリで言ってはみたものの、双口に剣劇で勝てるかどうかは分からない。
あれは、ノリだ。
初期武器で銃が拾えたのは運なのか。
運ではなくプレイヤーのステータス・技術に合わせて向いてる武器が初期武器として拾えるようになっているのか。
双口は知っている。見てきた。分かっている。経験している。引き継いでいる。
このゲーム、武器の種類ゲームの種類に関わらずとも、マイマスターで異世界転生者である生物のぼくが不利なのではないだろうか。
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