第26話
ー--少し背の高いすらりとした少年の視点ー--
ティアリスの家に向かっていたのに、気づくとダンジョンの中にいた。
目の前にはコントーラーとディスプレイ。
これは、理か。
僕を、ティアリスの元に行かせないための妨害。
それが、この世界の理か。
だとしても、握らないといけない。
コントローラーを。
僕はコントローラーを握った。
コントローラーを握らずに、ティアリスを守る事はできない。
コントローラーを握らなければ、運命は変わらない。
<GAME STAART>
アナウンスが鳴り、ゲームが始まった。
操作キャラクターは、僕を模した存在だ。
始まりの部屋に、いきなり日本刀がおかれてる。
これは、罠ではない。
日本刀に近づく。
大きすぎる事も小さすぎる事もない。
同年代の少年よりは少し背が高いといえ、未成熟な少年の背丈体格でも、
僕の多くない筋肉量でも扱えそうな大きさだ。
打刀か。
打刀の前に近づくと、背丈160程の少年の姿が見える。
「よっ!俺は無名の打刀。今までのマイマスター達はどんな時でも扱いやすいって褒めてくれた気がするぜ」
「特徴がないとか長所がないとか、強みがないとか、個性がないとか、今までのマイマスター達が俺の事をディスしてきた気がしてさ」
「かといって今までのマイマスター達を真剣で切り殺す程の事でもないしさ」
「今でも毎日毎日今までのマイマスター達の所に行って刀体を鞘に入れた状態でびしばし叩いてどすっと突いてきたくなるぜ」
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