第21話 「まだ右の指は4本あるぜ」

 「まだ右の指は4本あるぜ」


 →+L1


リバース攻撃のコマンド入力は受け付けられる。


 「あと9回指を噛みちぎるつもりか」


 「それより先に、お前の鼻を潰しきって、HPも0にしてやる」


 リバース攻撃のモーションが行われ、また少年の鼻に拳が入る。


 また、鼻に拳を入れた指に、今度は薬指に噛みつき、噛みちぎる。


 「痛みが強いのはお前だぜ。HPの減りもな」


 このままこの流れを続ければ、僕の勝ちだ。


 が、そうはいかないだろう。

 

 こいつが、そんなつまらない事をしてくれるわけがない。


 まだgame setには早い。


 まだ、痛みも殴った気持ちよさも足りていない。


 「これから僕が言う誓いは嘘じゃない」


 「またお前の鼻に右の拳を打ってやるよ」


 「システムに誓う」


 「今のお前の鼻に右の拳を打つが嘘だった場合は、僕の負けになる」


 <ゲームシステムとして、player1の誓いをを受け付けました>

 <player1が先ほどの発言を偽り次の行動が相手の鼻に右の拳を打たなければ、貴方をこのゲームの敗北者とします>


 ゲームシステムが誓いを受け付けたのだから、僕の次の行動は誓い通りに右の拳を少年の鼻に入れなきゃ

システムとして僕の負けになる。


 ↓↙←+L1

 

 「hello hello you」

 コマンド入力は受け付けられる。


 僕は、誓い通り、少年の鼻に向けて右の拳を打つ。

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