第20話
「痛みを多く与えてるのはよぉ」
「僕の方なんだよ」
少年の鼻を殴っているうちに、痛みに負けた少年は肩の肉を神経ごと大きく食いちぎる事はいったん諦めて、
肩の肉を皮膚を小さく噛みちぎって逃げる。
神経までは噛みちぎられていない。
「おいおい、逃げたなお前」
少年はいったんとはいえ、逃げた。
これは、勝てないゲームじゃない。
it is fair game。
「hello and goodbye」
僕は技名を叫び、↓↘→+Xのコマンド入力を終える。
入力は受け付けられる。
「これじゃこっちが捕食者になっちまうじゃねぇか」
<ちょー重いぱーんち>
また、自キャラが間違った技名を叫び、少年の鼻に遅いパンチを打つ。
今回は少年の咆哮じゃない。
少年の悲鳴が聴こえた。
痛いよなぁそりゃ。
お前みたいに筋骨隆々でもよ、お前でもよ。
こんだけ鼻を殴られたら、痛いんだよ。
悲鳴だってあげるんだよ。
お前だって生物だからな。
まだ殴ってやるぜ。
game set まで殴ってやるぜ。
↓↙←+X
hello and goodbyeの攻撃硬直を消し、hello hello youのコマンド入力をする。
コマンド入力は受け付けられる。
hello hello hello comboだ。
自キャラがまたまた間違った技名を叫び、大きく踏み込み、少年の鼻にぶーんと拳を振る。
少年は、鼻にhello hello youを食らうも、ひるまず僕の小指に噛みつく。
小指は、簡単に噛みちぎられた。
そりゃそうか。
小指ぐらい簡単に噛みちぎれるよな。
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