第8話
少女は、今度は顔を動かしパンチを避ける。
なんだ、どうやってそんな動作をしたんだ。
左スティックだけでそんな動作ができるとは思えない。
回避行動のようなものがあるのか。
そのまま、こちらの腕が空を切ったがら空きの状態のまま、
少女の蹴りが足に当てられる。
が、またしても痛みが足りない。
さっきと同じ様に、食らった側のリバースゲージが上昇しない技か。
食らった時に足の痛みは足りなかったが、足には痛みよりも違和感が残った。
足への蓄積ダメージか。
蹴りは問題なく出せそうだが、機動力には制限がかけられたようだ。
少女は追撃はしてこず、バックステップを行う。
こちらのパンチキックの射程から少し離れられた。
成程、前世の僕の経験と知識から推測するに、今のバックステップは左スティックを後方に2回で出せるのではないだろうか。
機動力を損なった僕に、パンチキックのリーチでは劣るのに距離を取るということは、飛び道具か突進攻撃だろう。
なら、ガードすればいい。
後方に左スティックを入れればガードになるのではないだろうか。
少女も始めにガードをしてから反撃してきたのだから。
ガードははあるはず。
そして、ガードすればこちらのターンになる事も僕が味わった痛みでわかっている。
飛び道具だとしても、ガードしてしまえば、リバースゲージを貯められるのではないだろうか。
突進攻撃なら、ガードすれば相手の硬直は大きく近距離でのパンチキックをガードするより、
より強力な反撃ができ、ガード分のリバースゲージも稼げる。
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