第2話

【GAME STAART】


  左スティックで少女に近づき、Xボタンを押してみる。

 隙の少ないパンチが出る。

 やはりXで弱攻撃なのだろう。

 ガードされたが、ガードされただけで、腕が痺れる。

 体に衝撃が伝わる。

 すぐには動けそうにない。

 ガードされただけで、この感覚か。

 攻撃を食らったら、痛みを体感する形式かもしれない。


 少女が少し近づき、こちらが動けないままだ。

 身長差から、少し近づかないと射程内に入らないのだろう。

 それなら、パンチキックのリーチが短い欠点に対する長所があるはずだ。

 なんだそれは。

 その分パンチキックが早いのか、威力が高いのか。HPが高いのか。

 少女の体格は普通に少女の体格だ。

 パンチキックの威力が高いともHPが高いとも思えない。

 このゲームが僕の世界のゲームと共通しているならばだが、少女の体格で強い腕力とHPにカスタマイズするなら、

 体格に優れたキャラより多くポイントを使う事になる。

 少女キャラなら、普通は魔法や飛び道具特殊能力ゲージ加算ボーナスなんかにポイントを使うはずだ。

 そうそれが普通だ。

 その前世での普通を、この世界のゲームにこの少女とのゲームに使っていいのか。

 前世でも、相手の読みを崩すために体格と相性の悪いカスタマイズをする場合もあった。

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