第2話 7回目~10回目

2024年7月7日(7回目)


 やっと彼女と再会できた。なのに知らない人間に殺されてしまった。だけどだからと言って彼女を助けに行かないわけにはいかない。俺は再びバイクを飛ばして彼女の元へ向かう。だけどその途中で俺は交番によった。そこには警官のぐちゃぐちゃになった遺体があった。そこから俺は拳銃を盗みポケットに入れる。そしてそのまま噴水広場に向かう。


「継寿!」


 百合羽とまた再会できた。俺は彼女を思い切り抱きしめる。


「すぐに逃げよう!」


「逃げるって…でもどこに…」


「そんなのどこだっていい!!」


 俺は彼女の手を引っ張る。その時だった。人ごみの中から黒いビジネススーツの男女の二人組が現れた。さっきの回で俺を殺した奴らだ。だから俺は先に懐から銃を取り出して撃鉄を起こし、銃口をそいつらに向ける。


「辞めたまえ。そういうのは素人が持ってもろくなことにならないぞ」


 男の方が至極冷静に俺に向かってそう告げる。女の方は日本じゃ珍しいオートマチックの銃を俺に向けている。


「うるさい!すぐに持っている銃を捨てろ!」


「継寿?どうしたの?!なんでそんなのもってるの?!なんで?!どうして!」


「今は黙っててくれ百合羽!さあ銃を捨てろ!」


 女の方が渋い顔をしたが、男の方が頷くと、銃を地面に置いて、俺の方へと蹴っ飛ばしてくる。男の方も同じようにした。俺はその二つの銃を拾って安全装置をかけてジャケットのポケットに仕舞う。


「あんたたちがなんなのかはしらない!だけど俺たちを放っておいてくれ!!」


「そういうわけにもいかないんだがね。まあこの争乱の中で生き延びられるとは思えない。好きにしたらいい」


「隊長!!ですが女神を放っておくわけには!!」


 女の方が必死な形相で男に噛みついている。


「女神なんてくだらない単語を使うな。どっちにしろ気に入らない任務だ。必死に戦っている同僚たちを放っておいて女の子を追い回すなんてどうかしてる。そんなことしなきゃ生き延びられない世界なら終わっちまった方が健康的だろうさ」


 口ぶりからすると男の方は乗り気ではないらしい。俺は百合羽の手を引き、バイクの後部座席に乗せて、その場を後にした。そして俺は死体だらけの街を郊外に向かって走っていく。


「え?!継寿!あれ見て!」


 百合羽が指さす方向を見ると小さな女の子が怪人に今にも殺されそうになっているのが見えた。


「無理だ!どうしようもない!」


「でも見ちゃったら無理だよ!」


 百合羽はバイクから飛び降りた。地面をゴロゴロと転がるが、そのまま立ち上がって子供の方へと走っていく。俺は銃をポケットから取り出してバイクのハンドルをきって百合羽の方へと向かう。百合羽は襲われていた子供を抱えるとそのまま怪人から走って逃げていく。


「くそ!!くたばれ!!」


 俺は怪人に狙いを定めて銃を連射する。だけど口径の小さい警官の銃ではあまりダメージになっていないようだった。だけど怪人の注意は俺の方に向いた。怪人は俺の方へと走ってくる。今度はさっき奪った銃を両手に持ってひたすら連射し続ける。それらの弾

が怪人に当たるたびに気味の悪い緑色のどぶのような液体を体から流していく。そして銃の弾が尽きるのと同時に、俺の目の前で怪人は倒れて動かなくなった。死んでくれたらしい。


「継寿!ありがとう。ほんとうにありがとうごめんねぇ」


 百合羽は子供を抱えながらボロボロと泣いていた。だけどなんとか守りきれた。今はそれでよしとしようそう思った。だけど。


『『『『『『KIsyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!』』』』』』


 気がついたら周りに怪人たちが集まっていた。俺を囲みながらじりじりと迫ってくる。


「百合羽!にげろおおおお!あっ…」


 あっという間だった。俺の首は空を飛んだ。空の上から百合羽の姿が見えた。そしてそこで意識は途絶えて。俺は死んだ。





2024年7月7日(8回目)


 さっきと同じことを繰り返した。子供を助けて怪人から逃げようとした。だけど囲まれてジエンド。はい、死亡。



2024年7月7日(9回目)


 今度は子供を助けないように違う道を通った。だけど百合羽は優しいから別の誰かを助けようとして、また俺が何とかしようとして、それで死んだ。


2024年7月7日(10回目)


 今度はバイクに百合羽を乗せるときに、気絶させて乗せることにした。それなら誰かが目の前でピンチになっていても助けずに済む。その作戦はうまくいった。俺たちは見事に郊外に設置された自衛隊が守っている仮設の避難所に逃げ込むことに成功したのだった。






























『みなさま!今宵お集まりのみなさま!皆様はよく存じておりましてでしょう!?悲劇は何度も何度も何度も繰り返して愉しい・・・ものだと!』




『我等がヒーローもまさにそうです!何度も何度も何度も悲劇に見舞われてもそのたびに立ち上がり姫を守ってハッピーエンドへと向かって走り続けるのです!』



『なんと麗しきかな!ですがヒーローは所詮ヒーロー!姫を守れても…』






































結ばれる・・・・とは限らない。そうおもいませんこと?』


























****作者のひとり言****



 ポストアポカリプスとかゾンビものとか好きです。

序盤はそんな感じでいこうと思います。



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