天使の舌
菫野
天使の舌
天使の舌なのかも知れぬ梔子を胡瓜と和えて食べてしまひぬ
わがなづき異星の炭素含みつつ素数が無限にあること思ふ
海のいづこかでジンベエザメはいま老いた銀河のやうに死にゆく
いつか死ぬことを知つた日わが手より神鹿は鹿せんべい奪ひき
いと小さき母の子宮を無造作に医師は置きたりわたしの前に
傷つくのは一瞬のこと夏の緋をあつめてカンナゆふぐれに立つ
この白い部屋だけ残しみな消えてしまつたのかも 無音なるとき
暴力のやうに触れくる音楽も
十万本の髪洗ふとき丸くなるそびら宇宙を背負ふごとくに
天使の舌 菫野 @ayagonmail
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます