第10話 変換・レベル2

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 第10話 変換・レベル2

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 さらに月日が流れ、俺は六歳になった。

 今日も今日とて、体力作をしてから土弄りをしている。

【レベルがあがりました】

「よし!」

 最近はレベルが上がりにくくなっている。久しぶりのレベルアップだ。

【スキル・変換のレベルがあがりました】

 何っ!? スキルレベルが上がっただと!?

 苦節六年。やっとスキル・変換のレベルが上がった!


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【個体名】 トーマ

【種 族】 半神デミゴッド(ヒューマン・神族)

【情 報】 男 6歳 健康

【称 号】 ×××の使徒

【ランク】 G

【属 性】 神

【加 護】 変換の神(未覚醒)

【レベル】 50

【スキル】 変換・レベル2

【ライフ】 451(1,355)

【スタミナ】 467(1,402)

【マ ナ】 507(1,522)

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 変換・レベル2 : 情報を閲覧・変換できる


「なんですと!?」

 情報を閲覧というのは、他人のステータスを見ることができるのだろうか? とりあえず、自分に試してみるか。

 スキル・変換・情報閲覧!

「おおお!」

 さっきまで見ていたステータスが、ホログラムではないけど、空中に浮かんでいる。

「表示の仕方が違うだけで、内容はまったく一緒なんだな」

 それじゃあ、次は変換のほうだ。

 スキル・変換・情報変換!

「おおおおおお!」

 俺のステータス情報が変わったぞ!


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【個体名】 トーマ

【種 族】 ヒューマン

【情 報】 男 6歳 健康

【ランク】 D

【属 性】 無

【加 護】 剣士

【レベル】 1

【スキル】 スラッシュ・レベル1

【ライフ】 10(30)

【スタミナ】 10(30)

【マ ナ】 10(30)

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 いいね、いいね。これで俺のステータスが見られても、神とかの情報が隠せる。

 ライトスター家の庶子は十歳になると、ステータスの確認がある。子供はステータスを確認しても見えなかったり、時間が経つと内容が変わっていたりするので、ステータスが固まる十歳になったら確認するのだ。

 だから情報変換があると、本当に助かる。俺の種族は半神デミゴッドだから、見られたら騒がしくなるのは間違いなかった。騒がしくなるだけならいいが、ライトスター侯爵家の人間だとどんなことになるか……。考えるのも憂鬱だ。でも、そんな憂鬱もこの情報変換があれば、回避できる!

 それに他人の情報が閲覧できるなら、戦う際に色々と対策ができる。それはモンスターも同じだ。

 これはいい効果を得たぞ。情報はやっぱり大事だからな!

「おっと、そうだ。この変換した情報がちゃんとステータスに反映されているか見ないとな。ステータスオープン」

 うん、問題なく表示が変わっている。ステータスはこのまま変換したままにしておこう。

 この状態で土を鉄に変換すると、ちゃんと鉄になった。

 情報変換は見える情報を書き換えるだけで、俺のスキルや能力が変わるわけではないようだ。もっとも、変わってしまったら大変なことになるけど。

「そうだ、そこの木の情報も閲覧できるのだろうか」

 対象は人間だけなのか、それともなんでも閲覧できるのか、気になる。

「お、木の情報も問題なく見えるぞ!」

 そうなると、他人の情報も見えると考えたほうがいいな。問題は、俺が見ているこの画面が、他の人に見えるかだな。

 さっそく離れに帰り、お母さんの部屋へ向かう。

「トーマ」

「やあ、タリア」

 移動中にルイスさんの娘で、俺より一歳上の母違いの姉に会った。タリアは俺と同じ金色の瞳をしているけど、髪の色は母親のルイスさんのプラチナブロンドを受け継いでいる。将来はきっと綺麗になると思う可愛い顔をしている子だ。

 ライトスター侯爵家は青銀色の髪と金色の瞳が特徴だけど、瞳の色のほうが重要視されている。

 金色の瞳は他の貴族ではあまりなく、ライトスター侯爵家の特徴なんだとか。それでも妾たちの子供が全員金色の瞳をしているわけではない。髪の色も色々ある。

「タリアは今日も可愛く着飾っていて、どこから見ても貴族令嬢だね」

「これはお母様がいつも着せてくるのよ。私によく似合うって言ってね」

「うん。よく似合っているよ。ルイスさんのセンスは抜群だね」

「そ、そうかな? そんなに似合ってる?」

「うん。タリアみたいに可愛い子は、何を着ても似合うけど、ルイスさんがチョイスするドレスはタリアの可愛さを際立たせるね」

「えへへへ。私、可愛い?」

「うん。可愛いよ」

 この侯爵屋敷の敷地から出たことないけど、妾やメイド、その他使用人たちと色々な女性を見てきた。その中でもタリアの可愛さは群を抜いていると思う。

「で、今日はどうしたの?」

「トーマが見えたから、呼んだだけよ。ダメだった?」

「ううん。タリアならいつでも歓迎だよ」

 タリアのような可愛い子とお喋りするなんて、前世ではなかったことだ。たまにはこういうのもいいものだ。


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