第31話「いつかはきっと私も」

いつか見たあの花は

ただ静かに咲いていた

あれから随分と世界は変わって

私は一人になった

確かに笑いあえたあの日

何もかもに素直に生きてたあの時間


もうそれが遠いほど

遠く及ばないほど

ただ遥か過去の幻想になってしまった


そうしてどこか小さくなった

自分の心が

なんだか窮屈で

ただ未来に輝きが見えなくなって

塞ぎこんでいく


ただ美しいまでに

ありのままで居たいと

どれほど思っただろう

それでも何度だって

そんな思いは踏みにじられて

学校に来るなと

そう否定され続ける


そうしてどこにも

自分を受け入れてくれる場所がなくなって

だったら消えろって

そう命さえ捨てろと言われる


もう私はどうすれば

いいのかと

死にぞこないの邪魔ものだと

そう何度も存在をけなされて


ただ涙を流す時でさえ

醜いとそう

蹴落とされる


この先何を望みに生きればいいかと

どう変われば受け入れてくれるかと

そう努力をするが

みんなものとに戻りたいとそう

仲間になりたいと思うが


そんなことさえ

不可能に思えるほど

決定的に境界線は引かれているみたいに

残酷で最悪で痛みだらけの時間が

襲い掛かる


もう私はどうすればいいの

どうすれば生きて行けるの


楽な死に方を考えたほうが

解決の近道かもしれないって

ほんとに死んでやるよって

泣きながら切り付けたけど


やっぱり悲しくて

本当はみんなと

ただ生きていたいと

それだけだって

それだけなんだって


ただ私は今日も

泣きながらしがみついている


ねぇ今日は優しくしてくれる?

仲間に入れてくれる?


なんて

そんなことある訳ないよね。


でももし気が向いたらいつでも呼んで

私ずっと待ってるから


いつかは手を取り合えるって信じてるから


じゃそれまで耐え続けるから

それまでいくらでも耐えるから


ね、私は大丈夫だからさ。


ね。・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る