第24話「孤独ヨガリ」

助けを求めた電話は

ミスコールに終わった

一人でいるには

この夜は余りに闇だった


漆黒は身に染み

死の残骸と化していた


パソコンをシャットダウンして

ドアに鎖をかける

ああ、このロクでもない

デットプリズムは

虚栄である


分かっている


だがのめり込むことで

事実忘れることが出来た


そうして未作為な時間を繰り返し

何も生み出せず

何もできず

ただ空白を埋めるように

乱雑に画面に埋もれる


ああ、ほんとに

世界は生きにくい

部屋に居ても

孤独は募る

ほんとに逃げ場など

この世界にはない


一人になろうと

思考は止まらない

だから何度も

心が締め付けられる


ひどい

酷すぎる


あまりに残酷な作りをしている

このリアリズムを

このリアリティーを

ただ打ち壊したいが


そのあまりに壮大な

絶壁が

僕を隔て

いくら足掻こうと


無駄な足掻きだった


ほんとに世界はどうなっているんだ

人は人を見捨て

世界もまた人を落とし込める


結局、誰もが自分本位だから

少数である孤独者への道は

開かれない


そうして万人受けだけを狙った

人の社会とは

結果的に権力者が握り


ただ無様なまでに

僕は一人を強いられる

些細な諍いから

道は途絶えていき


いづれ重すぎる扉になった

この開かない心は


ただ今日もしぼんでいく


ああ、ほんと、僕はどうすればいい


なぁ教えてくれよ

誰か

誰か・・・

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