第19話「席の無い青春」

時に世界は待ち伏せて

僕を返り討ちにする

ああそうか、もう僕は万物からも

嫌われて

ただ雨に打たれ

凍えた手が

裂けて

血が滲む


この無情な世界は

僕だけに雨を降らしているというくらいに

毎日悲劇に合う


ああ、これほどまでに

何か恨まれることをしただろうかと

何もない僕に

ただ傷を負わせ

全てから忌み嫌われるような

姿にして


醜いと恥じられ

邪険にされて

しりたげられて


ただ涙を浮かべ

それさえさらうように

雨粒が僕を襲い続ける


この未知数な

いったいどれほどまでの

不幸にあたれば

晴れて見逃してくれるかと

淡い逡巡を思うが


それもきっと

永遠に思えて

ただ生きてることが間違えと

そう、突き付けられるような


死を促されているような

そんな非難だけが僕を包み

いばらのように痛い


ああ

もう許してほしくて

ただ泣いてるだけの僕が

どうしてここまで

追い込まれて

無秩序に蹴落とされるのか


ほんとに分からないよ

何が正しくて

のさばってる彼らは一体

何を求めてるの


僕が泣くのを見て

満足しないなら

何を求めて

僕を傷つけるの


痛いよ

苦しいよ

やめてよ


もう僕はただ息を吸ってるだけでいい

だからほっておいて

仲間もいらないから

ただ生きて

ただ自然に生きてみたいんだ


それだけだから

それだけなんだよ

だからもう僕を追い込まないで


こんな些細な普通でいいんだ

ただ生きていたい

ただ青春時代に僕がいただけでいい


サプライズもいらない

何も求めないから

ただこの時間を味合わせて

この一度限りの

好き勝手できるそんな青春ってものに

僕も乗せてよ


ただそれだけでいい

それだけでいいから


ねぇ僕、学校卒業したよって

そう、胸を張って

お父さんにお母さんに

そうやって言いたいんだ


きっと凄く心配して

いつも掛け合ってくれて

僕を守ってくれてる


だからせめて

卒業まで

ただ僕を生かしてほしい


それだけだ

それだけなんだ


ね、いいかな


僕はもう死にそうなんだ

だからお願い

お願いだから


ただこの教室に居させて

お願い


せめてそれくらい

青春させてよ


ね。

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