第18話「黒は黒とて白ならず」
流れる時間に
どこか焦りを感じえ
不敵になる
この尚早は
きっと無駄にしたくないという
そんな生存本能であろう
しかして論じるものや
見るべきものが無いのだ
そもそも自身を育てる糧がない
故に埋没する心
ああ一体どこへ行けばいいだろう
この脈略のない
算段のない
不落のストーリー
ただ切ないと
吐いた声が
せめて夕日に重なって
どこか泣けた
この足りない日々に
ただ当たり散らした
散々なエピローグで朝を迎え
きっと終わりさえどうでもよくなって
最期まで何者にもなれないと
どこか虚しい人間になると
乏しい人間になると
そう打ち震えた
この曇天を穿つ
出会いはどこにあるか
そんな事も知れず
ただ迷々ありきに
奔走する
この青き星で
輝くものは
あの空浮かぶ
ものだけかと
まだこの地上に
輝くものが見えない僕は
ただ霧に紛れて
どこまでも世界の鬱闇へと舞い落ちる
ああ吹雪のような
嵐のような
このくらぐらしい
どこまでも未練と
逆道の最中で
腰を据えれる安寧さえ見えない
ああ一体どうすればいい
何を知ればいい
何が足りない
私は
私とはなんだ
一体何がここまで孤独を寄せ付ける
純然に生きたじゃないか
法律だって守っているじゃないか
思いやりも優しさだってある
なのになぜ
私は誰かれも腫れ物として
避けられ拒まれ
疎まれ蔑まれ
毎日傷つかなければいけないのか
分からない
何もかも分からない
いいやそうだ
これか
私は何もかもを敵だと
感じるすべてがどこか黒ずんでいると
腹が見えてしまっているんだ
そうかそうなのか
私はもう根拠の有り余る知識があるゆえに
茫漠とした莫大な知識のあまりに
この破壊までの道が
脆弱性が見えるのか
ああそうか
ならば私は死ぬまで孤独ではないか
なんだよ
こんな世界
知るほどに弱くなるなんて
愛を知るために
優しさを知るために
確かに闇を振り払うつもりが
そんな知識だけが
かさばって
もう身動きさえとれないじゃないか
ああもう失敗した
失敗したよ
ねぇあなたはどう
光のために影を見てない
大丈夫
大丈夫か
もう私はきっと闇に根差した
そんな悪徳が身についた
安心するための知識だった
騙されないための知識だった
だがどうだ
今はどうだ
滑稽だ
無様だ
散々だ
ああ、もう私の馬鹿野郎
なぜ身構えた
身構えるあまり失敗した
ああ、そうか
私が悪い
汚れを消すばかりで
汚れていた
嫌う心をつけすぎた
もう私は救いようのない
ならずものだ
ああ、すみません
すみません
誰か話を聞いてください
お願いします
お願いします・・・
ああ、もう遅かったか・・・・
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