N→T→R・・・2 元カノVS今カノ

大きな疑問が俺の頭を過っていた。

突然学校へ転校して来た事と、

グラビアアイドルになった件・・・

いや、元より菜々子は綺麗な顔立ちに、中学卒業のあの日までは同年代の女の子と比べてもスタイルや、胸の発育も良かった。


だが、何れも両親から何の話も聞かされていなかった。

どうして俺に黙っていたのだろうか?

俺と菜々子は、両親から見れば兄妹の関係のはず。


なら、家族としてでも教えてくれれば良かったのに・・・


「あぁ、そりゃぁ、お前達の仲睦まじい姿はこれまで嫌と言う程見せ付けられて来た」


「だから、久しぶりの再会はサプライズにしてあげたいって思ったの。

ごめんなさいね。突然過ぎて色々と感情も溢れ出て来ちゃったかもしれないわね・・・」


どうやら両親は俺が、菜々子が帰って来る事を心待ちにしているのだろうと

喜ばせてくれるつもりだったらしい・・・


確かに、本当ならばこれ程の喜びは無い。

だが、菜々子は変わってしまった。

俺が好きだったはずの菜々子はもう、ここにはいない・・・


戻って来た俺の彼女(元)は、全くの別人で大人気のグラビアアイドルで・・・

俺にエッチなちょっかいを掛けて来る変な少女だった。


菜々子が俺達の通う学校へやって来て早ひと月が過ぎた。

依然として菜々子は俺にちょっかい染みた事をして来る。


「ちょっと来い!」


「えっ!?」


午前中の休憩時間、俺はこのままひと目のある場所で色々とちょっかいを掛けられるは色々とマズイ気がしていた。

少しお灸を据えてやるつもりで彼女をひと目の付かない場所へと呼んだ。


「こっ、こんな所に連れて来て・・・誰も・・・いないよね?

まさか!ムラムラしたから口でしろとか言うんじゃ!?」


「言わねぇよっ!それにお前、前の性格とは信じられないくらい変わったじゃないか!一体どう言う事だよ?俺は今、彼女がいるんだ!これ以上俺に構うな!

それに、クラスの皆も注目を浴びせて来るだろ?


仮にもお前はグラビアアイドルをやっている一之瀬美亜なんだろ?

注目を浴びている奴が俺なんかに構っていてもいいのか!?」


言ってやった!流石に、昔の菜々子なら泣いてしまう程強い口調と言い回しだったか、俺も少々胸が痛むが・・・


「そっか・・・付き合っている子・・・いるんだ・・・ふぅ~ん・・・」


何か引っ掛かる様な言い方をするな・・・


「な、何だよ?・・・悪いか!俺はお前に捨てられたんだ!そんな俺をとやかく言う義理はねぇだろ?」


「だよね・・・私が・・・捨てちゃったんだもん。偉そうに言えた立場じゃないよね・・・」


何だよ!急にしおらしくなったぞ?


「ごめん。私、教室に戻る」


「おぃっ!ちょっと待てよ・・・って行ってしまったか」


急に真剣な顔をしたかと思えば教室に戻るとかどう言う考えがあるんだ?

俺はそのままトイレに行って休憩時間ギリギリになって教室に戻った。


この日、ちょっとした変化が見えていた。

放課後の事だった。


俺と莉子はいつもの様に一緒に帰ろうとしていたのだが・・・


「ごめんね?今日はちょっと菜々子ちゃんと帰る事になったから・・・」


いつもの穏やかな莉子の表情では無く少し強張った緊張感のある表情を浮かべていた。


「菜々子と?・・・何かあったのか!?」


俺が尋ねると莉子は首を横に振り菜々子と一緒に教室を出て行ってしまった。


「一体何があったんだ!?」


(絶対におかしい)

そう思った。だから俺はゆっくりと歩いて行く莉子の後を追った・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「菜々子ちゃん、入るよ」


空き教室の扉を開けると莉子は、確認をする様に菜々子を呼んだ。

あの教室に菜々子がいるのか!?


「ヤッホ♪誰もいないよね?」


菜々子は気さくな感じで周囲に人がいないか確認を求めた。


「・・・・・う、うん、誰もいない!入っていい?」


「OK♪じゃぁ、入って?」


(あっぶねぇ~!気付かれるかと思った!)


俺は、階段から廊下に差し掛かる角から見ていたが、莉子がこっちへ振り向いた為、慌てて隠れた。


莉子が教室へ入った事を確認すると俺は、二人が入った教室の前まで静かに近付いた・・・


「莉子ちゃんとこうやって二人で一緒にいる事ってかなり久しぶりな気がする♪」


「菜々子ちゃん、言っておくけれど私、怒ってるから!」


何やら殺伐とした空気みたいだだが、それもそうだよな・・・

俺が菜々子に捨てられた事を今カノである莉子が許す訳がない。


「な~るほど♪莉子ちゃんはこの大きなおっぱいで鷹矢の心を奪ったのか~、なるほどなるほど♪」


教壇に座っていた菜々子は床に下りると莉子の背後に周ると両手を莉子の腋下へ回しながら両胸を揉みしだき始めた。

菜々子の奴、今度は莉子にちょっかいを・・・


だが、何か変だ!?

俺は莉子を助けようとすぐさま教室の扉を開けようとしたのだが・・・


「なっ、何するのっ!放して!」


「ふ~む・・・Fカップってトコか~。まぁ、私よりは少し小柄だけど張のいい形も綺麗で清楚な美乳って所だね~。どう?莉子ちゃんもグラドル目指さない?」


「なっ!何を言ってるのよっ!いい加減にしてっ!!」


パチンッ!


「痛っ!もぅ~!莉子ちゃん元気過ぎるよ~。まぁ、でもこの体型ならやっぱり勿体ないよ。莉子ちゃんも私と同じ事務所でグラビアアイドルになってもらっちゃお♪」


「ホント最低っ!菜々子ちゃんがそんな最低な子だったなんて私・・・帰るからっ!!」


莉子が身なりを整えると冷酷に菜々子に告げると教室から出て行った。

俺は見付からない様に隣の教室へ入り、莉子を見送った。


(莉子があんなに怒った顔を見せたのって・・・初めてかもしれない)


だが、これも俺は違和感を抱いていた。

さっき止められなかったが、あの時菜々子と莉子の向いていたのは・・・


「明らかに扉の方だった?」


それはまるで俺に見せ付けているかの様にも思えていた・・・


「まさかな?」


色々と頭を過ったがこれはきっと俺の気のせいだろうとその時は思っていた。

だが、莉子にグラビアアイドルのスカウトをするなんて!?


少し経って、教室から出ると・・・


「あっ!?」


俺は隣を歩く菜々子に出くわしてしまった。


「ふぅ~ん♪・・・もしかして、見てた?」


「い、いやっ、それはだな!莉子が珍しく俺と帰らずにお前に会うって言ったから

気になってだな・・・」


「その覗き趣味~♪莉子ちゃんに言ったら幻滅されるから黙っておいた方がいいと思うよ?」


ニヘラ顔で俺を見る菜々子。

誰のせいでこうなったと思ってるんだよ!


「ねぇ?莉子ちゃんの事、好き?」


「ったりめぇだろ!莉子はな!お前が俺を捨てた後、献身的に慰めてくれて、俺を大好きだって言ってくれたんだよ!」


「・・・・・・・・・・・そっか。献身的に慰めて、大好きだって言ってくれた・・・ね~・・・」


意外そうな表情を浮かべ、少しだけ言葉に詰まっている様子の菜々子だったが・・・


「じゃぁ、私が莉子ちゃんの巨乳を揉みしだいていた姿もしっかりとその目に残っているよね~♪どう?エロかった?」


「うるさい!帰るぞ!」


俺は誤魔化した。

自分の元カノが今カノの胸を揉みしだく姿。

そんなシチュエーションに何も感じない訳ない!


だからこそ、それを悟られたく無かった俺は黙ってそのまま学校を出た。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その後・・・自宅にて


菜々子はまだ帰宅していない。

恐らくグラビアの仕事で事務所に寄っているのだろう・・・


両親は来月から海外赴任になるとかで、事前研修に・・・

って事は今日から!?


「ヤバイ!?今日からこの家、俺と菜々子の二人っきりって事か!?」


一気に顔色が青ざめた俺は、嫌な事を少しでも忘れようと風呂へ入った。


♪ピンポーン


「あれ、インターホン。来客か?」


家には俺しかいなかった為、風呂から出るに出られない俺は諦めて来客に帰ってもらう事にしてそのまま湯舟に浸かっていた。


だが・・・


♪ピンポーン・・・ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン


しつこい・・・普通、誰もいないと思って帰るだろ?


あまりにも連打して来るので俺は急いで洗い流し、身支度をして玄関のドアを開けた。


「まさか・・・菜々子・・・って鍵持ってるし!?は~い!今開けます」


「あっ!鷹矢いたんだね!良かった~」


扉を開けるとそこには菜々子・・・ではなく莉子の姿があった。


「何だ、莉子だったのか!?お前、意外と粘るんだな?」


「だって、・・・あっ、ごめんね。きょうは少し大切な話があって鷹矢と一緒に帰られなかったから」


「大切な話?」


あぁ、まさか菜々子に迫られていたグラドルになる事か?


「うん・・・ちょっとここでは何だから・・・」


「あっ、悪い。あがって?」


あの場面を見ていた事は莉子には知られてはならない!

俺は白を切る様に莉子の大切な話を待つ事にした。


部屋に案内した俺は莉子にお茶を出すと莉子はゆっくりとお茶を啜り、口を開いた。


「私ね・・・菜々子ちゃんにグラビアアイドルになれって言われちゃったの!」


「なっ!?何だって~!?」(※棒読み)


「あれ?驚かないの?何だか棒読みみたい・・・」


「そっ!?そんな事無いぞ!?だって莉子、綺麗だしその・・・スタイルがいいから・・・さ?」


俺は頬を赤くしながら答えた。


「そっ!?そうなんだ・・・鷹矢、私の事そう言う目で見てくれてたんだ・・・」


気まずい!非常に気まずい空気だ・・・

素直に褒めたはずが褒められた相手が真っ赤になるとは!?


「ね、ねぇ、鷹矢?」


突然モジモジと始める莉子は俺の方を見上げるとじっと目を見つめて来る。


「ど、どうかした?」


俺も恥ずかしいがゆっくりと莉子の目を見つめた。


「私達・・・付き合い始めてからもう直ぐ2年になるよね?」


あの日から・・・もう2年が経つのか。

俺は改めて莉子の顔を見つめ直した。


「そうだな。あれからもう2年なんだな。

色々と落ち込んでいた俺を必死に慰めてくれて本当に俺、莉子に感謝している。

こんな俺を好きになってくれてありがとな・・・」


「ううん。私だって鷹矢にはいっぱい助けてもらってるもん。だから・・・ね?」


遂に・・・俺達は体の方でも結ばれるのだ!


「きょう・・・両親いないんだ・・・」


これは絶好の好機(チャンス)だ!

この日を逃す訳にはいかない!


「だったら、明日はお休みだから・・・私、鷹矢の家に泊まっても・・・いい?」


「勿論だ!」


「やった~♪じゃぁ・・・」


目を閉じる莉子。

俺は目を閉じて莉子を抱き寄せ唇を近付けた・・・


「ただいま~鷹矢~♪帰ったよ~」


しまった!!肝心の菜々子の存在を忘れてしまっていた~っ!!!


「・・・・・・・・・・・」


何だ?今莉子の顔、今まで見た事が無いくらい険しかった気が・・・


ガチャッ


「ただいま~・・・って何々!?どうして莉子ちゃんがここに~?

まさか・・・お楽しみだったのかな~?ごめんね~私、隣の部屋に入ってるから続き・・・どうぞ♪」


「ったく・・・菜々子っ!お前、扉を開ける時はノックをしろって何度言えば分かる!」


「あっ、ごめん!私、ちょっとお仕事の件でメール入れないといけないから部屋戻るね?・・・ん~♪大丈夫大丈夫、壁から耳当てて二人の様子を伺うなんて真似しないから♡」


ニヤニヤしながら菜々子は自室へ戻って行った。


「ごめん・・・菜々子がいる事を完全に忘れてしまっていた」


「うん・・・私の方こそ、突然こんな事しちゃってごめんね?

きょうはもう帰るね・・・でも、グラビアの件・・・前向きに考えてみようかなって♪」


「あ、あぁ・・・菜々子がなれたくらいだから莉子だってなれると思うぞ!

俺は応援してるから・・・」


元カノの義妹と今カノどっちもグラビアアイドルとか凄い展開になりそうだが・・・


「じゃぁ!」


扉の方へ立った莉子に俺は・・・


「あ、あのさ。明日休みだからデート行かない?り、莉子の都合次第だけど・・・」


「・・・・・・・うん♪そうだね。じゃぁ、私の家に来てくれるかな?私が来たら・・・」


家には菜々子がいるから俺が莉子の家に迎えに行く事にした。


(明日はお義兄ちゃんと莉子ちゃんがデート・・・

これは邪魔しなきゃ!!)


♪プルルルル・・・プルルルル


「もう~・・・こんな時に誰から?・・・ってマネージャー?

はい、美亜です。はい・・・大丈夫ですが・・・って明日ですか!?

明日から遠方に撮影!?って突然過ぎます。学校にも連絡入れなきゃだし、他にも色々と・・・


分かりました。結構重要なお仕事なんですね。じゃぁ、仕方無いですね。

分かりました。ですが、こう言う大切なお話は早くお願いします!」


(うぅぅぅぅ~!!!折角お義兄ちゃんと莉子ちゃんのデートを邪魔してやろうと思っていたのに・・・)


莉子ちゃんが帰ってから直ぐにマネージャーから電話連絡が入った。

私は遠方の、とある島へ撮影の為、急遽明日出発する事になった。


急いで私は学校や出張中の両親に連絡を入れて、持ち物などの準備を始めた。


「おかしいな・・・仕事が入る時はいつも事前に説明してくれてるんだけどな・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「私、鷹矢君の事が好きなの・・・良ければ付き合ってくれませんか?」


「・・・・・・ごめん。気持ちは凄く嬉しいよ。でも、俺も好きな子がいるんだ」


「それってもしかして!?」


「・・・・・うん。そうだ。俺は・・・あの子が好きなんだ。だから・・・ごめん」


「ううん。私の方こそ困らせちゃうような事言ってごめんね?今の告白・・・忘れてくれていいから」


「本当にごめんな・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「zzz・・・ん?な・・・んだ?」


真夜中。俺はいつもの様に自室のベッドで眠っていた。

すると、妙に下半身がムズムズして来る。


目が覚めるとそこには、高校生が決して見てはいけないような光景が俺を襲う・・・

いや、俺が襲われていると言うべきだろうか?


「ん~♡ほら、私のおっぱいだよ~?」


「ってお前、夜中に何してんだよっ!!止めろっ!!」


菜々子が俺を夜這いしに来ていた事が発覚!!

俺の下半身は蕩ける様な疼きと菜々子の体温を直に感じていた・・・


「ほら~♪止めろとか言っててもこっちの鷹矢はもっとして~♡って言ってるよ?」


どうやら俺は菜々子の大きな膨らみにパイ〇リされていたみたいだった・・・


「いい加減にしろっ!」


急いで俺はベッドから離れ電気を点けた。


「おっ!お前、本当にどう言うつもりだよっ!?お前は俺を捨てた!

それで、俺は今莉子と付き合っている!


なのにどうしてこんな事して来るんだよ!?

付き合い始めた頃はこんな奴じゃなかっただろ!?

本当にどうしちまったんだよ」


「気付いていなかった?鷹矢・・・お義兄ちゃん、さっきから何回か発射してるんだよ?私のおっぱい大好きだって植え付けていた所♡」


意味が分からない。菜々子が一体何を考えて、求めているのか俺には分からない・・・


「明日、デートでしょ?」


「盗み聞きしてたのか!?最低だな!俺と莉子がデートしたら何だってんだよ?俺と莉子は付き合ってるんだ。デートくらいするだろ」


「盗み聞きしてた事が最低なら・・・盗み見は最低じゃないって言うの?

捨てた女の胸なんかで気持ち良くなって何回も発射していいって言う訳?」


図星をつかれてしまった。

確かに菜々子の言っている事は正しい。


だが、菜々子が俺に今して来た事は正しい事とは到底言えない!


「私・・・明日から撮影で遠方の島に行くから・・・」


「勝手にしろ」


「莉子ちゃんとエッチとかしちゃ・・・ダメだから・・・」


「はぁ?何で俺を捨てたお前に他の子とエッチしたらダメだとか言われなきゃなんないんだよっ!本当にお前、どうかしてるぞ?いい加減にしないと両親に言ってここから出て行ってもらうからな!」


少し言い過ぎてしまったか?

だが、このままこんな事を続けられたら俺は壊れてしまいそうだ。


この時の俺は自分の事で精一杯だった。

折角、俺の心の傷が回復して来た矢先、その心の傷を負わせた張本人が戻って来た。

莉子がいてくれるからまだ正常心を保てているが、これが俺ひとりだったとしたら・・・


だが、俺は一番知らなければいけない真実をまだ知らずにいた。

目の前にいる、義理の妹でもあり、元彼女でもある菜々子・・・


彼女が、想像を絶する状況下にいる事を・・・

彼女が俺にどうしてこの様なちょっかいを掛けて来る本当の理由について・・・


「いいよ♪なら、隣の空き地に家建ててそこで暮らすから♪」


「はぁ?・・・隣?・・・って隣の豪邸が消えてる!?」


おかしい・・・つい最近まであったはずがいつの間にか空き地に!?


「反対側しか通らないし、日中学校だったから気付かなかった・・・」


「まぁ、私はどっちでもいいんだケド♪」


「だが、そんな資金お前に・・・」


「あるよ。鷹矢には言って無かったけど私、グラビアのお仕事以外にもやっている事が色々とあるから・・・両親にそのお金は預けてある」


「そんな事してまで俺に近付くメリットってお前にあるのか?」


多分、嘘は吐いていないだろう。

だが、ここまでしたとして、俺にこんな事する理由が見えない。


「それもある」


真剣に俺を見つめながら返した。


「何だ!?言ってくれよ」


「鷹矢が再び私に依存して私無しじゃ生きていけない様に調教するの♡」


「帰ってくれ」


「えぇ~!?ここが私の家だよ」


「自室へ戻れって言ってんだ!」


「分かったよ・・・まぁ、でも一つ言っておくけど、莉子ちゃんに溺れちゃダメだよ・・・彼女は・・・彼女は・・・」


また訳の分からない事を言って来た。

嫉妬とも思えないこのやり取り、莉子に対してどう言う感情を抱いているのかも分からない。


菜々子はあらゆる意味で謎だ・・・


「莉子ちゃんに溺れちゃったら私の出番無くなっちゃうじゃない!!」


「出て行けぇぇぇぇぇ~!!!」


莉子とのデートの前日深夜、俺は楽しみと言うよりは菜々子の阻害に依り寝不足となる・・・






END

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