第十話 手作りクッキー
翌日(3月14日)の昼休み、俺は2日かけて作った〝手作りクッキー〟を三人にプレゼントした。まあ、先月の〝手作りチョコ〟のお返しである。
小分けにして綺麗にラッピングした小袋を渡すと、
「あ、ありがとう……わ、わたしがあげたの……ぎ、義理…だった…のに……わ、悪い…わね…」
しかし、速攻、
「あれ、ギリだったのかにょ?」
「ギリにしては、手間暇掛けたよな~~(笑)」
「い、良いの……ぎ、ギリでもきっちりしたかった…から…」
何故か媛乃木は視線を泳がせてそんな言い訳をしていたのであるが。
その時、川俣が話題を変えるように言った。
「あっ、これ美味しいっ♡ 」
俺がプレゼントした袋を開けてクッキーを口にしていた。
「どれ、どれ~~?」
その袋に手を伸ばした舘野が一つ取りだして口に咥えた。
(いや、自分のを食べろよ!)
「ホントに美味しいにょ♡ ……タダちの手作りにょ?」
皆んなが袋を開いて食べながら誉めてくれる。
「只野くん、他にもお菓子作れるの?」
媛乃木も美味しそうに頬張りながら訊いてきた。
「……う~ん……あと、自信があるのはマカロンかなあ?」
「「凄いっ!」」
「それなら、次回の『班活動』は只野が講師になって『お菓子作り教室』とか、良さそうだな!」
「「賛成~~っ♡ 」」
媛乃木も、舘野も、大きく首肯して声を揃えて言ったのだった。
しかも、その場に居た(教室で昼食を摂っていた)女子たちまで次々手を挙げて声を張りあげていた。
「「「「「「「わたしたちも(我々班も)参加したいでぇ~~~すっ♡ 」」」」」」」
「こ、これは……調理実習室を貸し切らんといかんかなあ」
川俣が呆れ顔で言ったのだった。
更に、その後、学食から戻ってきた女子たちも参加表明をして、結局来週の『お菓子作り教室』は、我がクラスの女子全員参加の『合同班活動』と相成ったのであった。
こうして、『班活動』の6週目が決定したのだった。
*
そして、何故かその日、我が『只野班』への加入のオファーがあったのであるが。
まあ、それはいずれ語るコトとしよう。
【つづく……かも?】
続・モブの俺に無自覚で構ってくる学園一の美少女、マジ迷惑なんだが? なつめx2(なつめバツに) @natume_x2
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