第3話
父さんからスキルの儀の話を聞いてから半年を過ぎた。ついに来た。明後日は姉のスキル授与の日だ。ここ半年、姉はいつものように鍛錬に励んでいた。素振りを何時間もし、技術を磨いていった
それが、スキルに直結するかと言われると違うが
それは、いつか絶対自分のためになることだと常に父さんが言っている。
僕も常々努力している姉を尊敬している。年下のこに負けていることはそんな気にしていない。
いつも努力している姉に対して僕はいつも庭で日向ぼっこをしている。
見るも無残な形だ。
「お母さん。行ってきます!」
「えぇ、気をはらないで、楽にしていきなさい」
「うん!」
「アウルも、楽しんできてね」
「·····はい」
僕はてっきり家で留守番するのかと思ったが、せっかくなので見学でもどうだということになった
そして、早速移動用の馬車に乗った。移動に関してはスキルの儀の会場まで六時間ぐらいらしい。
「今回は護衛よろしくお願いします」
「いえいえ、これが俺等の仕事なんで気にしないでください」
「御者の方もありがとうございます」
「········あいよ」
馬車の御者一人に、護衛が二人ついた。なんでも道中には魔物がいるんだとか。
魔物か、全く想像できない。
「そういえば、儀式の会場ってどこなの?」
「ん?そういえば、言ってなかったか?王都でやるんだよ」
「王都?」
「ああ、あそこは大陸一盛んな国でな、貴族も山ほどいる」
「さらに、お祭りもあるんですよ、俺たちも毎回行くんですが、これまた美味しい物がたくさん
で」
「そういえば、大きい祭りとスキルの儀が被ってたな。ルナとアウルも少し覗いていくか?」
「いいの、お父様?アウル!行きましょう!」
「あ、うん。分かったよ、ルナ姉さん」
他愛のない会話が続いて穏やかな時間が過ぎていった。
「おい、魔物だ」
「ああ、わかってる」
そこに突如として、魔物が現れた。
形容としては定番のスライムだろうか。僕は知識がなく、とりあえず雑魚としか知らないな。
護衛たちが迅速に剣を抜いて、警戒している
「スライムか、危ないな」
「スライムって強いの?」
「ああ、あいつも動きものろくて、力もないがやつの飛ばす粘液が皮膚に当たる瞬間に骨まで持っていかれる」
「········」
全然雑魚じゃないじゃないか。そんなマグマみたいな液体を鉄砲みたいに飛ばしてくる。
「俺が詠唱しているまで、時間を稼いでくれ!」
「わかってるよ!」
そして、何やら詠唱を始めた。そして、徐々にその手に火が宿ってきた。
「ファイヤボール!」
「きゅ~〜〜〜っ!」
気が抜ける断末魔を響かせながら、スライムは消えていった。
「ま、こんなところか」
「そうだな、魔核は····ないか」
「?····まかくってなんですか」
「ん?ああ、魔核っていうのは魔物が持ってる人でいうと心臓みたいなものだよ」
「へぇ~」
「そんなことは置いといて、そろそろ出発しましょう」
そこから、何度か魔物が出たが、護衛の人たちが難なく倒していった。まあ、全部スライムだったけど
「ほら、あそこが王都だ」
「あぁ~~!すごい!」
「うん。たしかに」
そこに見えたのは、ものすごくでかい都市だった
円形になっていて、その中心に遠くから見えるほどにでかい城があった。
おそらくだが、あそこが王様が住んでいるであろう所だろう。
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