第2話 気づけば全裸!?
思い出したぞっ!!
俺の前世の名前は
世界の平和を守るために、悪の秘密結社ダーザー軍団と戦っていた変態ヒーロー【カブクワガー】だったんだ!?
ダーザー軍団を壊滅状態にして、最後の敵である
そうか、そして俺はこの世界に転生したのだな。
前の世界とは違う、剣と魔法がメインの異世界に。
俺は自分の名がカブ·クワガーだというのに運命を感じた。つまり、神はこう言ってるんだな、この世界の平和を守れと。
だから死の間際になって前世の力が覚醒したのだろう。俺は明確に思い出したゴブリンキングとの戦闘を回想する。
…… …… …… …… …… ……
気を失った俺にニヤニヤ笑いながら迫って来るゴブリンキング。そこに現れたのがイリアちゃんだ。
「待ちなさい! あなたの相手は私よ!!」
くぅ〜、まるで前世でタッグを組んでた電池少女ターキーを彷彿とさせるセリフじゃないか!?
また、イリアちゃんの得意技が雷魔法を武器に付与して戦うスタイルなんだよな。ターキーも
しかし、初めは優勢だったイリアちゃんだったが時間が経つにつれ段々と劣勢になっていく。魔力切れだ。ターキーも胎内電池エネルギーが切れると弱くなったからな。
ゴブリンキングは手に何も持たずにその鋭い爪でイリアちゃんの肌を傷つけないように服だけを切り裂いていく。イリアちゃんの服はボロボロになり、その胸の突起が、お股の秘所がもう少しで見えそうという時に、
俺が無意識に覚醒したのだ。
「待てーいっ!! 神が呼ぶ、竜が呼ぶ、人が呼ぶ! 悪を倒せと俺を呼ぶ! 聞けー! ゴブリンキングよ! 俺は平和を守る戦士、変態ヒーローカブクワガーッ!!」
おお! 無意識だがここで前世と同じく自動で服が脱げていき全裸になってるぞ!
何せ変態する時に服を着てたら変態を解いた時に着る服が無くなってしまうからな。
二回目の戦闘からは全裸になってから変態するようにしたんだ。その為の特訓は地獄をみたぜ。
そして俺は変態する。
「ヘーンタイッ! カブクワガーッ!!」
おっ! 第一形態だな。カブトのツノがついてるオーソドックススタイルだ。
「トゥーっ!」
俺は掛け声と共にゴブリンキングに殴りかかる。第一形態時のカブクワガーのパンチは大地を抉る。力の第一形態とも呼ばれていた。
生意気にも防御したゴブリンキングの両腕をへし折り、パンチの威力は顔面まで届いた。
「グギャッ!? ギャワーッ!!!」
俺のパンチ一発でフラフラになったゴブリンキングだが、変態ヒーローカブクワガーは油断なぞしない。ここぞとばかりに攻めたてる。
「トゥーっ! トゥーっ!!」
俺のパンチとキックの嵐によって倒れるにも倒れられないゴブリンキングは恐らくだが二発目のパンチでこと切れていたように思う。
ゴブリンキングの強さは前世の敵に比べると物凄く弱いと言うしかないな。
俺は完全にこと切れたと見たゴブリンキングが倒れるのに任せてカブクワガーのままイリアちゃんに向き直り、声を掛けていた。
「大丈夫か、ターキー、相変わらず無茶をするな。さあ、エネルギーを充填してやろう!」
そう言うと俺は前世にターキーにしていたようにイリアちゃんのC級の胸に手を置き、モミモミしながら変態を解いて、魔力を送った。プルプル震えていたイリアちゃんは、全裸で胸を揉む俺に向かって、
「近寄るなーっ! こんのっ、変態っ!!」
と雷を纏ったビンタを見舞い、再び俺は気絶したという訳だ。
そして今に至りハタと気がつく。
俺、まだ全裸じゃね? そりゃ全裸で近づく
ちなみに言っておこう。変態しカブクワガーとなった俺は肉体が自動的に強化されるので
前世ではみんなが俺が平和を守るヒーローだと知ってくれていたから問題は無かったのだが……
この異世界じゃ
と今さらながらに気づいた俺なのだった……
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