花火
「・・・・・・あっ。」
アーケロンの話を聞いて考えてみても、それがオーリスに繋がるとは思えなかったが、一月前の出来事を思い出した。
それはこの周辺海域と島々を統一した記念とした宴の時だった。
その時のオーリスは氷に閉ざされた極北大陸の解凍をすませる。ついでに色々と実験を済ませてスッキリしていた事もあり上機嫌でした。
オーリスは掠れまくっている前世の記憶にある綺麗な景色を思い出して再現してみようと宴で披露したのである。
「「「わぁぁぁぁぁ!!」」」
「綺麗ですね。」
「オーリス様、こんな事も出来たのですね。」
「流石、ご主人様です。・・・まさか、夜空に花を咲かせるなんて凄すぎます!」
初めてやったが、上手く出来たな。
オーリスが打ち上げたのは花火だった。
体内で火薬と鉱石を混ぜて様々な炎色反応を起こすように調整した花火は前世の花火と比較しても素晴らしい色味をしていた。
ただ違うとしたら飛び散った火花がいつまでも消えずに空彼方に飛んで行ったのを皆が見ていたが、オーリスが出したものである為、すぐ消えずに長持ちしているだけど、綺麗な花火に夢中で、その火花がどんなものなのかを気に留めてもいなかった。
あぁ、やっぱり美味いものを食べていると昔食いそびれた奴の事を思い出すな。・・・・・・生きているなら食いたいなぁ。
そんなことを思いながら食っては吐き出してを繰り返して花火を打ち上げまくっていると、最後らへんは最大火力の最大級の花火を打ち上げまくっていた。
自身が筒の役割をしている為、前世よりデカい花火を打ち上げれるのではと何処まで巨大な花火を打ち上げれるかやってみたのである。
直径一キロを超える程の超巨大な花火を打ち上げたあたりで宴もたけなわになったので更に奥底に溜め込んだ鉱物や邪力をこめまくった火薬をふんだんに使った更に倍サイズの花火を打ち上げてその宴は締めとなったのである。
その時の最後の花火はこの世のものとは思えぬほどの赤赤とした灼熱の色をしていた。
「・・・その隕石って物凄い赤く燃えていなかった?」
「やっぱり・・・あの隕石はテメェらの仕業か?!!」
「えぇ、そうね。・・・そんなつもりはなかったのよ。まさか、あれがそんな影響力があるものなんて知らなかったのよ。」
「ふざけんなっ!俺たちがどれだけ苦労して!嘆き、悲しんで過ごしてきたのか知らないくせに適当なことを言ってんじゃねぇよ!!!」
少し申し訳なそうに聞くライを見て、やっぱりあの隕石の出所がこの群れである事を確信したアーケロンは怒り心頭になっていた。
ブチギレたアーケロンに余計な言い訳じみた事を言ったことで更に怒りを増させる結果となった。
「まぁ、でも、あんなお遊びで絶滅するならその程度の生物だったってだけでしょう。弱さの責任転嫁をされても困るわ。」
「あ?!何って言ったテメェ!!!弾き壊してやるぞ!!!ライ!!!!」
「確かご主人様が言っていたわね。弱い者程よく吠える。ピーピー吠えるだけの弱者に成り果てたなら貴方の命もここまでよ。」
これ以上の話は無用だと原因が分かったので、さっさとこのことをノーアイに伝えようと逃げ遅れた者に伝言を頼んで拠点の方へ吹き飛ばした。
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