家畜と氷
「ここが私達が育てている海園です。」
・・・周囲を地面を隆起させる事で海を孤立させて、塩湖を作ってそこに魚を閉じ込めて育てているのか?・・・・・・脱走しないように知能を低下させてるな。
貴方が来たのは最北端にある大陸であり、自分達が占領している大陸です。
氷河期の氷も雪もまだ残っている大陸であり、場所によってはキロメートルの厚さの氷もあり、生物は皆無だった為、占領は楽だったと言っていました。
住みやすくする為、大陸改造を繰り返すのは面倒なので、オーリスが大噴火させて出来た土地やそれによって出来た活火山などを存分に活用して隣に新しい島以上大陸未満の土地を作りました。
なので、この大陸はほぼ手付かずの土地になっていました。
この大陸に生息していた数少ない生物も氷に包まれた土地より同じ気温でも草木が多少あり、マグマで地下暖房で雪が積もらないようにしている環境の方が住みやすいので、自ずとこちらに移住してきて、この大陸は一切生物が生息していない土地と化した。
その特異な大陸という土地を最大活用しようとオーリスはこの大陸を訪れた。
侵略は今の所、保留となった為、手持ち無沙汰になったのである。
チアイ主導の元、海岸付近の開発はそれなりに進んでいたが、それでも他の土地からした微々たるものでした。
その中でもこの場所は海の農園と天然の冷凍庫として活用していました。
用心深いチアイらしく、この千年で此処で飼われている生物の知能は著しく低い。
これは逃走、そして進化をさせない為の処置である。何代も薬漬けにして知能低下と恐怖による思考停止による知能の活性化防止している。
「その通りです。此処にいる食料は全て、知能が低いように退化しています。その分の肉体の旨みや大きさなどは進化するように調整しました。」
流石、チアイ。えげつない事をするね。
「ふふ、褒めても何もありませんよ。これなんてどうですか?今年一の出来です。」
チアイはこの千年を自身の成長ではなく、オーリスの為、目覚めてからより美味しいご飯で持て成そうと食糧の飼育に心血を注いでいました。
それがオーリスに褒められて嬉しくて仕方がなく、照れ隠しをするように今年一出来の良い魚を差し出しました。
それを美味しく食べるオーリスの姿を見てより一層嬉しさとともに涙が込み上げてきました。
こんなに美味しいものをくれた部下の為にも、頑張りますか。・・・これを見せるのは君が初めてだよ。
「え?」
チアイが気がついた時には一面純白と化してそこに鎮座していた氷達が一瞬にして溶けて出来た水すら蒸発して何もない土地が地平線まで続いていました。
それはオーリスが口から吐き出した熱線が全てを溶かしたのでした。
今までのオーリスにこんな能力はなかった。
鉄や鉱石を吐き出すことはあっても、こんな全てを溶かすような事はなかった。
「・・・透明・・・な地面?」
チアイが目を凝らして見ると太陽光が地面を反射していることに気がつきました。
地面すら溶かして透明な物質に変えていました。
氷のようで氷でない物質で埋め尽くされた土地が続いていました
新たな氷が生まれた瞬間だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます