ノーアイの日常
これはとあるノーアイの1日の出来事である。
私の名はノーアイ。
私の1日は朝のミックスジュースから始まる。
「うん、やはり朝はやっぱりこれだな。チアイ達も飲んでみたら良いのに・・・・・・」
ミックスジュースとは様々な果実を陸でキンキンに凍らせてからすり潰した飲み物である。
他の者からしたら態々、潰さなくても複数種の果実を一緒に食べたら同じだろうと誰もミックスジュースの良さをわかってくれませんでした。
本来の果実にはないドロっとした喉越しに味が混ざる事によって全然違う味のハーモニーを醸し出す。
それが好きで遠征先でも飲むようにしているが、いかんせん混ぜるのは邪力による道具操作が必要である為、ノーアイの邪力による遠隔操作は群れ一にまで育ち、自然と陸での活動も増えていった。
その甲斐あって陸への適応はオーリスや元から陸に適応している種を除いたら誰よりも陸地に適応していた。
「・・・・・・あのヤヨイと言う巨木の思念体は四肢が器用そうな身体をしていたな。それに2本の脚で立つと言うことは残り2本は自由に使えるということか・・・」
ノーアイはこの前、オーリスが直々に占領した森に住む巨木の思念体ヤヨイを紹介された。
その時、ヤヨイの姿を見て色々と課題が多そうな身体だが、物作りなどメリットになる点も多い肉体だと思っていた。
その後、ノーアイは色んな種の長と会議をして次の侵攻場所を決定しようとしていた。
「やはり、このまま進んで南部の熱帯にある此処より多種多様な生物を食い荒らそうじゃないか。」
「・・・そんな事より今ある土地をしっかり統治してから侵攻しませんか?・・・オーリス様が目覚めたことによって明らかに他の群れより戦力は上になりました。」
意見は更なる土地拡大と食の多様性を確保しようという意見と今ある土地を完璧に統治して現在の食を研究、促進しようという意見に分かれていました。
因みにこの会議にはオーリスやチアイなどは参加していない。
不老の者が多いと計画年数が万単位になってしまう事があった為、そんな悠長な時間を過ごすと長の世代交代が幾らしてもキリがない。
なので、こういう会議には出席しないように配慮されているのである。
たまにチアイなど知恵者も参加することがあるが、オーリスは目覚めてから参加することはなかった。
「ノーアイ様、如何しましょう?」
「そうだな・・・今はオーリス様の機嫌が良い。ここより先は他のボスどもと鬩ぎ合うことになる。オーリス様なら何も問題なく、相手を食い荒らすだろうが、その間に他の幹部共が動かない訳がない。」
「・・・・・・オーリス様ならその他全てを食い荒らすのではないのですか?」
「それも可能だが、その先に残るのは不毛な土地だ。それにその場合、私たちは付いていけない。」
「それは何故ですか?」
「そんなことも分からないのかよ?・・・必ず死ぬからだろう。ノーアイさん。」
目覚めたオーリスの力は前とは次元の違うものと化していた。今はまだ、力を完全に把握していないオーリスは加減が難しく、ヤヨイの森ではかなり力を抑えて戦っていた。
それでも他の海域や大陸にすむボス級の奴らとその幹部を相手にした場合、多少力を解放することになるだろう。
そうなったらその土地を壊滅的に破壊することは火を見るより明らかだった。
それにその場合、オーリスを一匹で向かわさないといけない上、オーリスが知らない土地で何も寄り道せずに向かうとは思えず、不老な点からもかなりの年月を寄り道に注ぐ可能性があった。
「それに戦闘をオーリス様にだけ頼るなんて、おりゃあ嫌だぞ。下が育たない。」
定命の群れである長はオーリスのワンマンチームになるのは今後の群れの維持という観点からもしてはいけない行為だった。
オーリスの場合、進化に千年掛かった事もあり、何らかの理由でオーリスが戦闘に参加出来ない場合も考えて、オーリスに戦闘を全て任せるのは無しだった。
その後も会議は続いたが、結局この日は結論は出ず、この日の会議は終わった。
その後、自身のセーフティーフィッシュに戻ったノーアイは食事を済ませたあと、邪力の研究を少しやって夜中のミックスジュースを飲んで寝た。
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