寒冷化

 ぶへくしゅつわ!!さむっ!・・・・・・おかしい。・・・予定を更に早めたほうが良いかもしれないな。


 貴方はここ最近、海の水温が下がっているのを肌で感じてました。

 冬になってきたとか、そんなチャチなもんではなかった。もっとやばい水温の下がり方を感じていました。

 これは寒冷化だと前世の知識から引っ張り出してこの現象の結論を導き出していました。


 ・・・・・・深海への準備を急げ!!死にたくなかったらな!!!


 ノーアイ含めたこの10年で貴方に迎合してきた部下たちに伝えておいた命令を早く遂行するように急かした。

 寒冷化したからと今すぐ死ぬわけではないが、年単位も持たずに大量にここら辺は一変して死の国と化すのを想像するのは容易い事でした。


 あぁ、分かっている。段階的に降りていく。


 部下の中でも知能が高く、ジェスチャーで的確に意見を言ってくれるメナシウナギ系のチアイが急ぎすぎではと注意してきたが、貴方は誰よりも冷静に現場指揮して準備を進めていた。

 環境の変化とボスの焦りが部下を不安にさせていると実感している。

 寒冷化による大量絶滅(予想)が迫っているとしても焦ってより深く、より深くと行ったら最悪、絶滅するのは目に見えているので、此方も慎重に深く降りて行かなければいけないのである。

 それに勘のいいもの、知能が高いものは貴方と同様に深海への避難を進めているのが、いつもの巡回でそれを確認していた。

 嵐の前の静けさのようにどこの縄張りも静かであり、誰もが災害への備えを進めていました。

 深海への準備は前々から進めていました。

 寒冷化によって深海への遠征から何百年以上単位での定住へと移行したので、必要物質の数も、質も増大している為、前々から運搬に役立つ種へ進化を促した部下や索敵に役立つ部下を育てたが、それでも深海は前よりも混迷を化しているのははっきりと分かっていました。


 ローショ、深海の様子はどうだ?・・・・・・・・・・・・・そうか、更に降りて行っている奴らで死体の山になってきているか。


 この辺りで環境変化の影響が少ない程深い深海は大きな海溝一つな上、安全に降りれる場所は一つだけの為、そこに生物が殺到している上、今、避難しているのは縄張りをもつ程の知能が高い強者である。

 その為、深海はかつてないほど縄張り争いや生存競争によって混沌と化していました。

 事前準備として索敵に長けたメナシウナギから進化したローショからの報告を受けて、混沌が治る前に遠征しないといけない為、常に深海内を探知してもらっていた。


 そうか、・・・準備出来たんのなら行くぞ!これから先は死より恐ろしい混沌の世界!臆した奴から死んでいく!常に冷静に!生きろ!・・・・・・・安心しろ、狂ったものは俺が食う。俺の血肉として永遠に生きていろ!!

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