第40話解き放たれた…
学校へと着いた俺はクラスメイトからからかう様に言われた。
「おっ、今日は水樹ちゃんとは一緒じゃないのかよ?」
そんな風に言われたんだ。それが俺達の当たり前になっていたんだな…。ホント…煩わしい…。
「一緒なわけないだろ?」
俺がそう返すと…
「喧嘩でもしたのかよ?」
「もしかして、振られたとか?」
「仲直りは早い方がいいよ?」
「水前寺さん可愛いから取られても知んねぇ〜ぞ?」
「そうそう。未だに狙ってる奴多いし、高校に入って特に二人の事を知らない奴なんか特にな」
面白がってんのか…コイツ等?俺が振るならともかく…あんな奴に振られるのはどう考えてもおかしいだろうに…。好きなら勝手に告白しろよな…。
「言っとくけど、マジで水前寺とは何でもねぇから」
「水前寺って…」
「お前…いつも名前で…」
「ホントに喧嘩でもしたのっ!?」
「謝りなって!」
「マジで取られるぞっ!?」
「あんなブスと俺が付き合うわけないだろっ!?お前等ホントに馬鹿かっ!?第一俺には好きな人が居るんだから、迷惑なんだよ、そういうのっ!!だから、お前等も変な事言うの止めてくんねぇーかっ!?」
教室が一瞬静まりかえる。その後すぐに陰口をたたく馬鹿が多いのがいやに視界に入ってくるのが気に障る。
「お、おい…そんな言い方…」
「ああ…悪い。ただ、ちゃんと考えて言葉に出してくれよ?マジで迷惑なんだ。水前寺が彼女って疑われて、それが理由で振られたらシャレになんねぇーから」
「あ、ああ…分かった…」
その後、チャイムが鳴り…水前寺と風鳴が休みという事が伝えられる。サボりやがって…ホントにいい身分だよな…。
ぷふっ…それにしても軽く小突いただけなのに…あんなに大袈裟に倒れて…涙ぐんでたのを見るとスカッとしたな…。アイツ昔から事あるごとに突っかかってきてやがったし…。
んっ?そういえば二人が休みって事はチャンスなんじゃねぇか?邪魔者は居ないし…。
そう思った俺は彼女に手紙を書いて呼び出す事にした。まあ、手紙なんて持ってないし、ラブレターじゃないからノートでも破って………コレに書いてっと…。よしっ!
後は先輩の靴箱に…。
♢
「──来てくれたんだな、さおり先輩」
「もう…長府君くらいだよ?ノートを破って人を呼び出すのは…それで…どうしたの?また勉強で分からないところでも、あったの?」
さおりさんとは中学校の時に出会って…この高校を受験したのもさおりさんがいたからで…。中学を卒業してからはなかなか会えなかったんだけど…図書館でたまたま出会えて…勉強を教えてもらって……とにかく…気がついたらすげぇ好きになってたんだ。
「…えっ…ああ…そんなところです」
おおいっ!?告白するつもりでさおりさんを呼び出したのに何言ってんだ、俺は!?
「水前寺ちゃんはどうしたの?教えてくれないの?」
「アイツは関係ないです!」
くそっ…。やっぱりアイツが余計な事をして俺の傍に居やがったから…さおりさんも誤解して…。
「ええっ…と…喧嘩でもしたの?」
「してませんが…とにかくアイツの事はいいんです!」
「もう…それなら…仕方ないね。図書館…は今日は休みだし…学校も閉まっちゃうよね。じゃあ、私の家に来る?」
「宜しくお願いします!助かります!」
さおりさんの家ってこれはチャンスだよな?棚からぼた餅ってやつじゃないか!?
俺はウキウキしながらさゆりさんと談笑しながらついていき、さゆりさんの家へと向かった。
「あれ…お母さん買い物かな?すぐ帰ってくると思うけど…とにかく…あがって?」
「はい、お邪魔します」
両親もいない。二人っきり…。それなのに…家にあげてくれるって事は…さゆりさんも…もしかして俺の事……。
♢
少しだけ…勉強を教えてもらい…。そして…俺は話を切り出した…。
「さおりさん…」
「どうしたの?どこか分からなかった?」
「いえ…そうじゃなくて…ずっと言いたい事がありました!」
「えっと…何?」
「さおりさん…好きです!」
「えっ?」
「どうか…俺と付き合って下さい!」
言った!とうとう言った!脈なしならこうして部屋に入れてはくれないよな!?
「あっ…えっと…ごめんね…」
「………えっ?」
「私…付き合ってる人が居るの…」
「う、嘘でしょ…だったら…だったら何で…俺を…部屋に…」
「ごめんなさい。長府君が私をそんな風に思ってるなんて…知らなくて…私は…勝手に弟みたいに思ってて…」
「―――ない」
「…長府…君?」
「ありえない!さおりさんは俺のものでっ…」
「ちょっ…長府君!?何をっ!?きゃあ―」
「さゆりさんっ!さゆりさん!!」
声をあげようとするさゆりさんの口を塞ぎ…
俺はさゆりさんと体を繋げた…。すでに初めては付き合っている彼に捧げてたみたいだけど…問題ない…。正直に言うとかなりショックだったが…これからは俺だけのモノだ。
***
あとがき
優花「こ、これは…」
愛「せ、せめて…あとがきくらいは明るくいきますか?」
日和「いや…無理じゃねー」
凛「無理だよ…」
芽依「これからは…っていうのが気に掛かるよね…」
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