第25話ゲームセンター
「ここって…」
「この街唯一のゲームセンターだな」
凛の問いに俺はそう答える。だって楽しめる場所っていったらまずゲームセンターが浮かんだんだもん。それにこの街唯一という事もあり大きくて広くてゲーム等の置いてある種類も豊富なんだよな。
「私ゲームセンターって初めてなんだよ」
「そうなの?」
「うん。だから楽しみ♪」
「それは良かった。じゃあ入ろうか」
「うん♪」
「あっ、初めて入るなら少し音がうるさいかも」
「うん、分かった」
ゲームセンターに入ると音楽やらゲームの音等が耳に入ってくる。慣れないと少しうるさく感じるかも知れない。俺は慣れてるんだけど凛は大丈夫かな?こういう雰囲気が苦手な人もいるしな。
大丈夫そ?と、耳元で訊ねると凛は少し音にビックリした感はあるものの大丈夫だよと返してくれる。
「…ホントっ!音が凄いね?」
「―だろ?暫くしたら慣れると思うから…とりあえず…クレーンゲームからして回ろうか?」
「うん」
まずはお菓子が景品のクレーンゲームの台の前へ。繋いでいた手を離し、財布を取り出して…お金を入れ――
「あっ…(手っ…)」
「んっ?どうした、凛?もしかしてこのお菓子は好きじゃない?」
「ち、違うよ!?このお菓子大好きだよ!そ気にしないで?それよりコレってどうやってするの?」
「ん、ああ…まずはお金を入れてだな。この→ボタンを押すと矢印の通りにこの上のアームが右に移動して、こっちの↑ボタンはアームが奥へと移動するんだ。物によるんだけどだいたいアームを取りたい商品に合わせる感じかな。とりあえずやってみるから見てて」
「うん、見てる」
お金を入れて、アームを動かしてとりたい物に合わせて――っと…。この辺だな。
「ふんふん…なるほどね、そういう風に移動するんだね」
ウィーンウィーンとアームが下へと伸びていき、アームがお菓子をガッチリと掴む。アームの強さも強くて助かるな。
「凄っ!?掴んだっ掴んだよ!?あっ、持ち上がったぁ〜!?」
そんな風にはしゃいでいる凛を見てると初めてクレーンゲームをした時を思いだすな。景品にアームを合わせるのが難しくて…何回も失敗して…取れた時は凄く嬉しかったもんだ。
“コトンッ”
おっ!?どうやらうまく取れたな。俺も上達したもんだ。今度コレ系の動画もあげてみようかな。
「取れた取れたよ♪凄い凄いっ♪ねえ、ねぇ、私も取れるかな!?」
「勿論!一緒にやってみよう」
「うん!」
お金を入れて、凛の背後から凛の手の甲を掴む。
「ふぁっ!?」
「んっ…どうした?」
「う、ううん…何でもない…何でもないよっ!?(…み、耳元で豊ちゃんの声…それに…息遣いも…顔が近い事がこんなに破壊力があるなんて…。それに体も密着しているし…背後から手を掴まれて…あううっ…な、なんか…恥ずかしいんだけど…恋人同士みたいでなんだか嬉しくなっちゃう…。はっ!?私匂いは大丈夫かなっ!?かなっ!?)」
「凛?」
「んにゃあ!?こ、このボタンからだよね!?お、押すよ!?」
「うん、いいよ。ボタンを離すタイミングで凛の手を持ち上げるから」
「ふぁい!?お願いしますっ!?」
そんなに緊張しなくても大丈夫だぞ?任せてくれれば取れるからな?凛が人差し指でボタンを押した。アームが動き出し…この位置だというところで凛の手を持ち上げる。ボタンから人差し指が離れ、アームが止まる。
「うん。良い位置だ」
「そ、そう?」
「今度は奥な?」
「んっ…手…宜しくね?」
「任せとけ」
アームが奥へと移動した後は当然アームが下へと伸びていき…
「掴んだ掴んだ!」
「いいところを掴んだみたいだし、これは取れたな」
「ホントっ!?」
俺は取れたのを確信する。アームが元の場所に戻り…景品が穴の中へと落ちていく!
「やったぁー♪♪」
「やったな、凛。まぁ、今の要領でやればいいから。今度は一人で挑戦してみな!傍で見てるからさっ」
「うん、ありがとう…豊ちゃん♪」
♢
「へぇ〜 あの子可愛いな…。おっ!?トイレに向かった!?これはツイてる!いひひひひっ!とりあえず…サービス等を理由にメッセージアプリに友達登録してもらって…そして…ふひひひひっ…」
***
あとがき
優花「家に行ってみれば居ないと思ったらデートしてるぅぅー!?」
日和「アタシなんかまだ出番殆どないんだぞ?」
天音「わ、私もメッセージアプリで連絡しないと」
優花「そこは抜け駆けしようとしない!」
天音「抜け駆けしてるのはいつも神楽坂さんの方じゃ…」
芽依「そうだよ!私なんて学校休みじゃないからお兄ちゃんが凛さんとデートしてる事も知らないというのにぃぃ〜〜〜!あっ、言い忘れたけど天音ちゃんのショーツはピンクのレースだよ!ついでに言えば日和ちゃんは黒のTバックだね」
天音「ちょっ!?」
日和「何でアタシのまで言った!?」
引き続き応援等宜しくお願いします🙇あまり伸びなくて筆者凹んでますのでコメント下さると嬉しゅうございます✨上位の方達の伸び率の凄い事凄い事…。ホント凄いですよね、私もあんな才能が少しでも欲しいと思う今日この頃です(涙)
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