第24話急なお誘い

 臨時休校二日目。昨日の優花の件でかなりの体力と精神力を消耗した俺は、遅めの朝ご飯を食べていた。純白のショーツが呪いかという程、脳裏から離れずに遅くまで眠れずにしていた為だ…。


 それに匂いも…なんだか甘い様な薫りがして…それに…


「―って、いかんいかん!昨日アレだけ処理したのにまた頭がピンク色に染まろうとしているな…。煩悩退散煩悩退散煩悩退散――」



“ピンポーン♪”



 煩悩を追い払っていると、チャイムが鳴った。宅急便か何かか?とにかく俺は玄関へと向かう。はいはい、今出ますよっと…。




「は〜い、どちら様?」


「…お、おはよう…豊ちゃん…」



 玄関のドアを開けると、玄関の外に立っていたのは凛だった。凛がこうして来るなんて珍しいなと思いながら挨拶を返す。


「おはよう、凛。どうかしたの?」


「え、ええと…急に来てゴメンね?た、たまにはお出かけしようと思って…」


 凛の姿をよく見るとお出かけスタイルになっているのに今頃気付いた。いつもは三つ編みにしてまとめている髪がフィシュッボーンにされており、服装も上はオフショルダーの白い服、下は黒いスカートでお洒落にコーデしている。


「ああ…それでお洒落にキメてるんだな?凛にとても似合ってるし、可愛いと思う」


「ほ、ホントっ? あ、ありがとう…豊ちゃん…」


 少し照れくさそうにしながら髪を弄ってる凛。凛は少し内気なところがあるからな。


「どこに出掛けるか分からないけど、気をつけろよ?そんな可愛くキメてたら絶対にナンパされるから、嫌なら断るんだぞ?」


「それは…勿論断るけど…」


「じゃあ、気を付けて行ってくるんだぞ?」


「う、うん。行ってきます!」


 凛が立ち去って行く。俺も玄関のドアを閉め――


「―って、違うよっ!?何でドアを閉めようとしているのっ!?」


「えっ?」


 俺は凛のその声に閉めかけていたドアをまた開く。


「帰ろうとした私も私だけどっ!?そうじゃないんだよっ!?何の為に豊ちゃんの家に来たと思ってんのっ!?」


 何の為?それは―


「…服装チェック?」


「違うよっ!?豊ちゃんと一緒に出掛けようと思って来たに決まってるでしょっ!」


「えっ?そうなのかっ!?」


「…そうなんですぅ!言ってなかった私も悪いけど…」


「凛からそういう誘いなんて珍しいからさ、そう思っていなかったんだ。悪い」


 学校への通学は一緒に登校するけどお出かけに誘われたのは初めてだな。まあ、通学に関してもっと言えば、優花と三人の時もあるし、優花と二人だけの時もあるし、凛と二人だけの時もあるんだけど…。考えてみると順番になっているような…。


「それは…そうなんだけど…と、とにかく…一緒にお出かけしてくれる?」


「了解。十分…いや、十五分くれ。中に入ってていいからさ」


「うん♪」



 急遽凛とお出かけする事が決まった。俺は急ぎ出掛ける準備に取り掛かった。







 とりあえず街の中心街へと繰り出した俺と凛。


「それでどこに行くんだ?」


「…えっ?」


「いやいや、『えっ?』って言われても…どこか行く予定があったんじゃないのか?」


「…行きたい場所は特にないよ」


「はぁ?」


「…たまには…一緒に出掛けたかったんだもん…私達…幼馴染なんだし、ま、漫画とかでも幼馴染同士出掛けてたり…してるもん」

(ホントは…優花ちゃんみたいに…起こしに行ったり…もっと電話したり…そんな漫画の様に特別な幼馴染って感じで色々したいんだけど…私は…)



「…いや、それは漫画の話な?」


「…優花ちゃんとは…たまに出掛けてる癖に?」


「それ連れ出されてるだけなんだけどな?」


「むぅ〜」


 頬を膨らませて睨んでくるなんてどこでそんな高等な技を覚えてきたんだ?優花か?


「…また…優花ちゃんの事考えてた?」


「…そんな事はないけど」


「それくらいは分かるんだからね?」


「さいですか…」


 流石は幼馴染か…。


「罰として…今から行く場所は豊ちゃんが考えてよ」


「俺が?急な無茶ぶりだな…全く…」


「今日1日私を楽しませる事、いいっ?異論は?」


「…ない」


「宜しい!じゃあ…行こうよ?」


 そう言って手を差し出してくる凛。はぐれないように手を繋げって事か…。俺は差し出された手を取ることに。


「どこに連れて行かれても文句は言わないようにな?」


「…う、うん」


 みるみる凛の顔が紅く染まる。それこそ鎖骨辺りまでほんのり染まっているのが分かった。


「えっ〜と…そんなに手を繋ぐのが恥ずかしいなら離そうか?」


「えっ!?う、ううん。大丈夫…熱いだけだから」


「…暑いか?」


「…豊ちゃんが考えてる方の暑いんじゃないんだけどね?」


「なんて?」


「…早く連れてって…って言ったの」


「へいへい」 



 まあ、とりあえずあそこに向かうか…。俺は凛を連れ定番の場所に向かう事にした。







***

あとがき


優花「私がいない間にデートしてるぅぅー!?」


日和「羞恥に悶えていたからだろ?」


優花「思い出させないでっ!?まだ恥ずかしいんだからね!?」


天音「か、神楽坂さんが自身で行動した結果なんじゃあ…?」


優花「こ、細かい事はいいのよっ!」


芽依「優花さんはムッツリだから」


愛「ムッツリどころか部屋でお励みに☆」


優花「あんたは余計な事は言わなくていいのっ!!とにかく引き続きこの物語の応援や評価を宜しくね?」


芽依「応援してくれたら現役アイドルの天音ちゃんの下着の色と種類を教えてあげるよ☆」


天音「…えっ?ちょっ!?何をっ!?」


日和「歌羽っち…諦めろ」


天音「冗談…ですよね?」


優花「本気よ。あの子はやるわ」


天音「ええーっ!?」


芽依「ではでは〜〜〜」


天音「ちょっ!?ま――――」

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