第20話歌羽天音⑤

“カチャッ――”


 鍵が閉まる様な…そんな音を耳にした…。


 うつ伏せ状態に倒れていた私は手をつき、上体を起こして立ち上がり――


「痛っ…」


 ――ろうとして…痛みが走った。どうやら倒れる際に右足首を捻ってしまったんだと思う…。立ち上がる事が出来なかった為に体を反転させ、お尻を地面につけ座り込んだ様な状態で、私は視聴覚室の入口に視線を向けた…。


「お前は馬鹿だなぁ…なあ、歌羽?」


 そこには…ニヤニヤしながら私を見下ろし、そんな事を言ってくる立物先生の姿が…。


「せ、せんせ?」


「くくっ…まだ分からないか?お前は先生に騙されたんだよ!」


「…えっ?」


「ここで女性の体育の先生が歌羽を待っていると言ったが嘘に決まってるだろ?ましてや卒業して行ったこの学校の先輩達の新品の服なんて常識的に考えてある訳ないだろうにっ!ホント…先生が思った通りだったよ。お前は素直で世間知らずな馬鹿だとな」


「な、何でそんな嘘をっ…」


「はぁ〜!?まだ分かんないのか、歌羽は?」


「…分かる…わけ…」


「こんな状況でどんだけ頭の中がお花畑なんだ?まあ、いいか。そういうところも清純派アイドルと言われる由縁か…。いいか、歌羽?子供の作り方は流石に分かるよな?保健体育でも習っただろ?」


「っ…そんなの………せ、先生…まさか…」


「おっ?流石にそこら辺は分かるか?お前が思っている通りだ。お前は今から俺と子供を作る行為をするんだぞ?」


「すっ、する訳ありません!そういう事は…心から愛する人と…」


「…先生はそういう愛とかはいらないぞ?」


「…どう…してっ…」


「どうしてって…そんなの決まってるだろ?アイドルとヤれるチャンスなんてないからに決まってるだろーが!お前がこの学校に転校してくると聞いた時から計画してたんだ!そんなに愛する人とっ、セ◯クスしたいと言うのなら先生といっぱいセ◯クスして、歌羽が先生の子供を授かり、歌羽が先生を愛すればいいだけの事だろう?」


 先生がジャージの上を脱ぎ捨てる。流れる様な仕草でガバッっとシャツをも脱ぎ捨てていく…。


 そのまま先生は上半身裸になるとゆっくりとこちらへと近付いて来た。私は視聴覚室に並ぶ机と机の間を左足と両手を使い、這いずる様な感じになりながらも、必死に後退して先生との距離をとる…。


「こ、来ないで下さいっ!誰かぁーっ!誰か助けてぇーっ!!!」


「無駄だよ、歌羽。視聴覚室だぞ?この学校のここは特に防音設備が整っているんだからな。まず聞こえないぞ?」


「…せんせっ…お願いですから…来ないで…来ないで下さっ―」


 “トン” ―と、背中に硬い感触…。


 壁っ!?そんなっ…


 絶望が私を静かに包み込んでいく…。


「そこまでだな?な〜に 大丈夫だぞ、歌羽?初めての男の味は痛いだろーがすぐに慣れる?何回もしているうちに俺無しでは生きられない身体に仕込んでやるからな?なっ、あ・ま・ねっ?」


 先生がジャージの下を脱ぎ下ろそうとしていたので私は何も見たくなくて目をギュッと瞑り、心の底からの嫌悪…。


「いやぁ―――――――――――っ!!誰かっ誰かぁぁあぁぁ―――――!!」



 先生はそんな私を見て…私の声を聞いて…それを楽しむかの様に笑い声をあげ…


 どんどんその息遣いが…気配が…私に近付いて来るのが目を瞑っていても…分かる…分かってしまう…




 誰かっ………助けて……






 そんな願いも虚しく…私は床へと押し倒されて……何とか逃れようとして必死に手で先生を押し返しながら抵抗する……。



「大人しくしろって!嗚呼、くそっ!いい加減諦めろ!無駄な抵抗すんなって!?素直に先生を受け入れた方がお前の為だぞっ!!ほら、キス、キスしよう!先生とキスしよう!」


「…いやぁ……嫌ですっ…止めてっ…」


「嗚呼、くそっ!なら、こっちから味わうからなっ!」



 スカートをまくしあげられ…


「うほっ〜!純白のパンティかっ!うおっ!暴れるなって言ってんだろうがっ!いい加減殴るぞっ!」


 

 その言葉に恐怖を感じた私は…涙が溢れ出して止まらず…涙を拭う事しか出来なくなった…もう無理だと悟って…諦めてしまった…



「ぐすっ…ぅっ…ぐすっ…ぐすっ…」


「そうだ。少しだけ大人しくしていろ」




 そして……とうとう…私のショーツへと先生の手が伸びていき………









***

あとがき



優花「やっぱりマッスルじゃないのっ!」


凛「ぴぴぴ、ピンチなんだけど!?」


日和「アイツ…ヤバかったんだな…」


芽依「ふと思ったんだけど…椅子投げつけたり、噛みついたり、引っ掻いたり出来ないのかな?」


優花「それね!?私も思ったわ!」


凛「片足立ちとかして何とか逃げられないのかな?」


日和「…出来ないんじゃないか…。アタシには分かるよ。経験者だしな。優花っちも分かる筈だろ?」


優花「私も分かるって…一体どういう意味???」


日和「攫われかけた時言ってたろ?誰も気付いてくれないのが不思議みたいな事を」


優花「…言ってたわね」


日和「それそれ。アタシも経験あるから分かるんだけど体が思うように動かなかったり、なんか他の事を考えられないというか…う〜ん…アタシは難しい事が言えないんだけど…」


愛「ん〜 本編のシナリオが働いているのかも知れませんね?エロゲでもゲームでも何でもそうですが、そうはならんやろって話があるじゃないですか。あれと同じでそのシナリオ通りの行動以外をとれないのでしょうね」


優花「なるほど…」


日和「アタシが言いたかったのもそれだよ、それっ!」


愛「とにかく成り行きを見守るしかありませんね!」


凛「う〜〜〜続きを早く〜〜〜」




 そんな訳で評価下さい😊筆者のモチベーション維持の為に!読んで貰えてるのか?楽しんで貰えてるのか?いつも不安になるんですよね(汗)出来たら前向きなコメントも下さい😊筆者メンタル弱弱なので…(T_T)


 

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