第15話高校入学から…
高校に入学してから早くも10日が過ぎた。本当に一日一日過ぎるのって早いよな。あっという間に過ぎ去ってしまう。
初夏日和も学校に復学。周りには体調不良で休みという事になっていた。たぶん中学からの友達だと思うんだけど…その子と笑顔で話しているところを見ると少しだけ安心してしまうな。
「また初夏さんを見てるの?」
「…見てないよ」
優花の問いにそう答える。
「いや、見てたよね?」
「お前もかブ◯ータスっ!?」
「私ブ◯ータスじゃないよ!?」
凛が慌てて否定する。真面目に返されても困るのだが?
それはともかくとしてお気づきだろうか?こうやって3人で話しているという事は俺達全員同じクラスというわけ…。まあ、同じクラスなのは悠介さんが裏で動いたからなんだけどな…。
ただ席がこんなに近くなるとは思っていなかった。俺を挟む様に優花と凛の席があり、一番後ろの席…。まあ、幼馴染だし気兼ねなくていいんだが、何故だか視線をよく読まれてしまう。そんなにジーっと初夏さんを見てたつもりはないんだけどな…。
「胸よね?やっぱり大きい方がいいのかな?」
こら…優花は教室で自分の胸に手を当ててモミモミしない!
「豊ちゃんは…おっぱい星人なの?」
「おかしな事言うの止めてくれる!?一言も言ってないよね!?聞かれたらどうするんだよ!?俺の立つ瀬がなくなるよっ!?」
凛は凛でマジで考えて発言してくれよな?俺がクラスで孤立してしまうぞ?
そんな事を話していると先生がやって来る時間になった。
―さて、ゲーム通りなら…
「―まずは、おはよう!」
「「「「「おはようございます」」」」」
「今日はみんなが喜ぶであろう報告がある」
来た!今の所はゲームのシナリオ通りだ。
「転校生だ」
おお〜!と騒がしくなる教室。高校に入学してから10日が経過すると彼女が転校してくるんだ。
「驚くなよ?なんと現役のアイドルだ」
より騒々しくなる教室。そう。彼女は現役のアイドル。歌ってよし、踊ってよし、ルックスよし。この世界で人気ナンバーワンの清楚系アイドルだ。こういうゲームには結構な頻度で登場すると思われる職業。みんな憧れるからこそ穢したくなるのだろうか?
「入ってくれ、
「はい!」
澄んだ綺麗な声。教室のドアが開き、彼女が入って来た。ヒロインの一人でもあり俺が助けたいと思う一人…。
「今日からみんなと一緒に学ぶ事になる、
「マジでっ!?」
「俺…ファンなんだよ!」
「俺も」
「私も」
「何でこの学校にっ!?」
ホントそれな?何でこの学校にと思ったわ。まあ、そうなってるからとしか言えないけど…。
「そういえば…豊和君もファンだったわよね?」
優花がそう言ってきた。それはそうと肩が触れ合ってるが大丈夫か?誰かに見られたら勘違いされるぞ?まあ、みんな転校生を見ていて、それどころじゃないだろうけど…。
「いや、ファンではないけど?」
「CD持ってるわよね?」
「いや、それは持ってるけど…」
「彼女の水着写真集も買ったわよね?」
何故それを知っている!?落ち着け…俺。表情を悟られるな…。動揺するな…。優花はきっとカマをかけているに違いない。平然として言葉を返せ。
「買ってないけど?」
よし、ミッションコンプリート!俺なりに百点満点の出来ばえだ。伊達に配信者なんてしてないんだぜ?配信者って言っても顔出しはしてないけどな…。
「机の引き出し…」
「…………何故それを?」
「…
愛さぁぁぁぁーん!?何故にあなたがそれを知っているので!?あなた悠介さんの護衛ですよねっ!?俺も監視対象に入っているのですか!?悠介さんの指示ですかっ!?監視しなくても俺は優花に手を出しませんよ、悠介さん!?
「ほ、ほら…授業が始まるぞ?」
「そ、そんなの買わなくても…わ、私が着て…写真なんて…あげるのに…ボソボソ…」
「声が小さくて聞こえないんだけど?」
「な、何でもないわよ…ばかっ…」
優花の声が小さ過ぎて何て言っているのか聞こえなかった。なのに…馬鹿とは一体…。
優花とそんなやりとりをしているうちに彼女の席が決まり、すでに彼女は席に着いていた。初音さんの隣の席のようだ…。
さてと…今日は彼女から目を離さない様にしないとな…。
***
あとがき
優花「また増えた!?」
凛「ヤバイよ…優花ちゃんもアイドルと遜色なく可愛いのに…今度は現役の本物のアイドル!?」
日和「ああ…話したんだけど…いい子だよな。アイドルなのに…気取ってないというか…」
芽依「ま、負けないもん!」
優花「しかも彼女の写真集を持ってるしね」
芽依「燃やそ?」
凛「そ、それは流石に…」
愛「そうですよ?男性には必須のアイテムでしょ?それを燃やすなんてとんでもありません☆」
優花「で、出たっ…」
愛「はい、呼ばれて飛び出てジャジャジ〜ン!みんなを護る魔法戦士愛ちゃんの登場だぞい☆」
「「「「呼んでないし、魔法戦士って何!?
」」」」
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