第一部
第1話高校入学
都内でも学力がトップクラスで有名な高等学校でもある
ただ一つだけ良いだろうか? 俺はこの世界に来て常々思っていたのだが…誰も突っ込まないのだろうか?この名前に…?高校の名前がすでにヤバいだろっ!?何だよ、鬼畜学園って!?PTAは何も言わないのか!?いくらなんでも酷すぎるだろっ!?
もしかしてこれが物語の修正力って奴か!?せめてさぁ、【おにちくがくえん】とか【おにつくしがくえん】とかそういう風に別の呼び方にしろよなっ!?
おっと…いきなり悪いな…?ちょっと心の中で取り乱してしまったみたいだ。俺も何気に緊張しているんだろうな?とにかくそんな事を思いながら制服へと着替えて高校へ行く準備を終えた俺は、親には先に高校へ向かうからと行って家を出る事にしたんだ。
「あっ♪豊ちゃんおはよう♪」
家を出てすぐに声を掛けてきたのは黒髪三つ編みの女の子だった。彼女は俺の家の隣に住んでいる女の子で名前は
「遅いよ?」
「凛が早すぎるだけじゃないか?」
「そ、そんな事ないよ?ちょっとばかり早く目が覚めすぎて、準備が早く終わったから豊ちゃんも私と同じかも~ なんて思って待ってた訳じゃあないからねっ!?」
「やっぱり凛が早すぎただけじゃないか。生憎と俺は中学の時と同じ様にいつも通りの決まった時間で起きたぞ?」
そうは言ったものの…今日から高校という事で凛は期待と不安でいっぱいなのかもなと勝手に思った。俺自身前世で高校の入学式はちょっと緊張やら不安があったのを薄っすら覚えてるしな。
「…だよね。豊ちゃんはそうだよね?」
なんか…デジャブを感じるな。昨日は優花にもそういう風に言われた気がする…。
「あっ…そういえば優花と愛はどうしたんだ?」
優花のフルネームは
「優花ちゃんと愛ちゃんなら車で行くらしいよ!さっき電話があったから。本当は優花ちゃん達もいつも通り私達と登校する予定だったんだけど…なんでもおじさんが高校の入学式だけは俺が絶対に送って行くと我儘を言って話を聞いてくれなかったらしいよ?」
ゆ、悠介さん…。娘を持つ者の気持ちは俺には分からないけど、あんまり我儘言ったら娘に嫌われるんじゃないだろうか?優花達ならそういう心配はいらないか?どうなんだろうな…。
「ま、まあ、とりあえず気を取り直して…凛はどうする?今日も一緒に行くか?それとも高校では一緒に通学はしないでおくか?どうする?」
ただの幼馴染なのに、その関係を疑ってからかって来る奴はどこにだっているしな。そう思って気を利かせたつもりで凛に聞いたんだけど、凛は少し泣きそうな表情になっている…。
えっ!?何で!?無意識にいらん事を俺は口走ってしまったのか!?
「も、もしかして…豊ちゃんは私と一緒に通学したく…ない?」
「ち、違うからな?悪い、言葉が足りなかった。ほら中学の時も一緒に通学するだけなのに俺と優花や俺と凛の事を面白がってからかって来る奴が居ただろっ!?だからそういうのを凛が気にするんじゃないかと思って言っただけだからな!?」
「わ、私は…気にしない…よ?」
「じゃ、じゃあ一緒に行くか!」
「うん♪ 」
凛と一緒に高校に向かって歩き出す。言っとくけど凛とはそういう関係じゃあないからな?凛もそういうのは否定しているみたいだしな。確か優花もそういうのは否定していたはずだしな。愛は思わせぶりに周りに言ってたっけっ…。
「あっ…」
「どうかしたの?忘れ物?」
「違う違う。さっき言うの忘れてたんだ」
「?」
「高校の制服似合ってるよ」
「っ!?そ、そっかぁ…と、豊ちゃんも…その…似合ってるよ?」
「ありがとうな」
♢♢♢
そんなこんなで入学式が始まった。入学式が始まってすぐに俺は彼女達の存在に気がついた。ゲームに出て来た時と同じ姿だったからだ。何度もそのエロさと悲惨さを目にしたヒロイン達の姿だ。見間違える訳ない。一人はすでに会っているし、助けているし、幼馴染になっているしな。
まあ、前世では別の意味でお世話になったとも言えるんだけど軽蔑しないでくれよ?彼女も居ないんだからそういうので発散するのは仕方のない事だろ?俺も男だしな。
とにかくだ。彼女達がそうなるのは阻止しないとなと改めて心に誓う。彼女達を実際に目にしてそう思ったんだ。
今日は入学式…。明日には一番最初のイベントというか彼女に関するシナリオが始まってしまうんだ…。 俺は視線をその彼女へと移す。彼女の名前は
彼女の見た目を語るならまずその胸になるだろう。高校1年生と思えない様な胸の持ち主だからだ。腰もキュッとしまっておりスラッとしている。そんな彼女の髪色はハイトーンのベージュカラー。髪型はというとワンレンボブにしており毛先にさり気ないカールが掛かっている。後は一人称があたしだという点だな。
彼女の事を思い返したついでにこのゲームについても思い返そうと思う。このゲームは凌辱系エロゲームの『凌辱地獄』というゲームタイトルだ。 人気絵師がキャラクター原案を務め、エロシーンの全てを一人で描ききった事でも有名になったんだ。そして複数の人気声優がそのエロボイスを務めたという事で、異例の大ヒットを飛ばしたパソコンアダルトゲームが凌辱地獄というわけだ。
ゲームを始めるとまずメインヒロイン五人の中から一人を選ぶ事になるんだ。んで、ヒロインを選んだ後はプレイヤーは何をするのかと言うとそのヒロインに目をつけた相手となり、後は好きな選択肢を選んでいく事になるんだ。
まあ、そうなると当然なんだけど…入学式にはヒロインに目をつけるプレイヤーの分身となる存在がいるわけで──
「…誰を見てるのかしら?」
隣に座っている優花が小声で話掛けてきた。入学式の席がたまたま俺の左隣だったんだよな。それにしても少し冷たい喋り方なのは気の所為だよな?ちなみに右隣は凛だ。ちなみに愛は優花の左隣。凄い偶然だよな?幼馴染が四人横に並んでいるんだぜ?
とにかくそんな優花から圧みたいなモノも感じるのも気のせいだよな?顔はいつも通りの笑顔で前を向いているみたいだしな…。
「いや…別に何も──」
「…初夏さんを見てたわよね?」
俺は慌てて優花にバッ──っと、顔を向けるが彼女は以前として前を向いている…。 アレか?女性は視線に敏感だと言うし…そういう気配を感じとったのだろうか?視線にはくれぐれも気をつけないといけないな…。
「…見てないよ。考え事してただけ…」
「胸っ?胸なのっ!?やっぱり豊和君も大きな胸なのっ!?彼女のたわわをじっくり見てたわよね?」
「…み、見てねぇよっ!?」
あぶねぇ~~~。危うく叫ぶ所だったわ。小声でそう返した俺を誰か褒めてくれ。ホント入学式で大声で叫んでしまったらシャレにならんかったわっ!そうなったら絶対に問題児として目を付けられるだろうし、変に目立ってしまうだろっ!?
それに…たわわなんて久し振りに耳にしたぞっ!?たわわってお前っ!?って言うところだったし…。
「わ、私だって…少しはあるもん」
俺は動揺していたんだろうな?はたまたその言葉に誘われてしまったのだろうか…?
とにかく最悪の行動を取ってしまう事になるんだ…。
つい…チラッっと優花の胸元へと視線を落としてしまったのだ…。そりゃあ、日和よりは小さいけど十分あるよな?確か設定ではB──
「後で殺すから…ねっ?」
やはり女性は視線に敏感だった様だ…。この後俺が優花によってどうなったのかは秘密だ。
一つだけ言えるのは…良いパンチだったぜ☆って事だろうな…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます