第72話 ギルド見学4
ロザリー。貴女は何をしてるんですか?!」
「副マスター、のっぴきならない事態だったんです。それに、あれは、冒険者の仮にもC級の冒険者達なら、あたしに負けるような実力なわけないじゃあ、ありませんか?」
B級の昇格試験を受ける予定だったくせに、ロザリーに投げ飛ばされ、失神をしてるなんて、情けない。医務課の人間が運んでる。
「いいかい?アンタたち、あの人たちはうちの自慢の医務課のお医者様たちだよ。病気や怪我を治してくれるスペシャリストさ。」
「わあ!!」
拍手する生徒たち。
照れながら、タンカーに運んでいく医務課の医師たち。
「冒険者は怪我はつきもんでね。それを治してくれるんだ。有り難いよ。あとで、薬を扱ってる薬剤部門に連れて行くから待ってな。」
「ロザリー。あとで、事情を聞きますよ!」
「はいはい。わかってますよ。」
ロザリーは肩を竦める。出入口を破壊したのは、罰を受けるべきだ。
マナが副マスターに事情を話す。すると、はあとため息をつく。
「ロザリー、あなたは、もう少し、堪え性を持ってくださいよ。」
「いや、ついね。悪かったと思ってます。」
副マスターもわかっている。ロザリーが何の意味もなく、冒険者に手を出したりはしない。
大抵は相手が悪い。しかし、B級の昇格試験目前の冒険者一行を投げ飛ばすとは。
「ねえねえ?ロザリーをあんまり怒らないで。」
リーサが副マスターの服の裾を引っ張る。
こらやめなさいと、ゴットリーが引き離す。
「あら、リーサ、心配してくれんのかい?ありがとう。」
「リーサ…?」
「副マスター、この子がハルベルの小さなお姫様ですよ!」
リーサは、何だか、わからないが、ニコニコ。
すると奥からドタバタ。屈強な男らがむさ苦しく、やってくる。
「ロザリー!!!」
「あら!!」
ロザリーは笑う。
冒険者ではないのか?と疑うほどの筋肉量に、むさ苦しさを持つ熱い男たち。
中でも真ん中にいる男性は男らしく、髭を蓄え、厳つい顔をしている。鍛えられた腕が半袖から、見えており、見た目で筋肉隆々。
「コーザ。心配してくれたんだね!ありがとう。嬉しいよ!」
背景に花畑。コーザは、ロザリーのボーイフレンド。おなじ、解体部門で働いてる。相思相愛で、最強カップル。
コーザを筆頭にむさ苦しい男たちは、医務課に運ばれてる冒険者たちを一睨み。
「怪我はないか?怖かったろ?」
「やだね!大丈夫だよ!」
イチャイチャする二人。
「ままとパパ みたい。」
「…。」
「あのお二人さん。見学がまだ…。」
忘れかけられていたギルドマスターの声にあらやだと照れ隠しに、ギルドマスターの背中を強めに叩いた。痛い!と叫ぶギルドマスター。
子供たちのなかで、ギルドマスターより、ロザリーが強いことを脳裏に焼き付けた。
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