第69話 ギルド見学1

集合場所は、学校。

今日は、ギルド見学の日。

送迎バスに乗り込む。


「何で、リーサだけ、ゴットリー先生のお膝の上なの?」


「あー!リーサだけ、ズルい!」


「順番こだよ!」


「そうだよ!」


わちゃわちゃする甘えん坊たちを窘めつつ、席に座るように促す。

定期的に、交代させて。


コハクは、ジュリーの膝の上でご機嫌。

「じいじがね、ちゃんと、お話を聞いてねって。」

「そうよ。コハク。」

周りにいる生徒たちは、コハクがジュリーの膝に座っていようと、文句は出てこない。



別の車両にいるマリーウェザーは、お目付け役を買っており、隣に座るルーシリアの膝を叩く。

「また直ぐに寝る!リーサだって、起きてるんだよ!起きてな!」

「まだついてないだろう。」

「バカを言うじゃない。移動だって、授業中よ!」

ベシッ。




送迎バスが見えてきた。

懐かしい。自分もあれに乗って、学校やギルドなどの見学に来たものだ。

ロザリーは、到着したバスを出迎えるため、広場に立っている。

バスから、わらわら、出てくる生徒たち。

見慣れた子たちもいる。


「あー。ロザリーだあ。」

「本当だ!!」

「おーい!」

「あ!気づいたよ!」


ありゃ、あそこにいるは、リーサ達だね。しっかり、先生の引率の中心じゃないか。

安心だけどね。

先に行かないように、きっちり、先生が、リーサたちを引き止めている。

中々やるじゃない。


「ロザリー姉さまだわ。」

実妹、マリーウェザーが朗らかに笑う。

妹の前で失態は犯せない。

気を引き締める。



さて、案内をしますか。


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