第58話 家庭教師4

リーサは、フランツに、ツェツリーエが、先生になるんだと綴った。

ままは、はりきってるんだよ!!と詳細に書いて、リーサは頑張るから、褒めてねとねだった。

アルミン程ではないが、フランツも動物好きであるので、リーサは、アルミンの新しいペットを写した写真を添える。


フランツには、愛馬のハーバネスを初め、ワニのドーラを飼っている。

厳しいキングブレストの土地でも大丈夫な生物。

しかし、その2頭は、フランツが居住している館で、大事に育てられている。


リーサがテレビで見たキングブレストにしか、生息していない雪兎と言う筋肉隆々のうさぎが可愛くて、フランツに見たことはあるかと聞いた。

フランツは、あるよといい、雪兎は、群れで生活し、縄ばわり意識が強く、体長は、1メートル近くあり、肉食うさぎである。

縄張りに入った奴を襲う獰猛な性格らしい。

でも真っ白な毛並みに、雪に映えるあの燃えたような赤い瞳はとても綺麗だとフランツは笑った。

ガーネットを埋め込んだようなその瞳は、視界が一年中真っ白な銀世界では、とても価値のある美しさだと言った。

リーサは、間近で見てみたいと言うと、リーサは、まだ幼く、来るだけでも、肺が凍って危険だから、大人になり、フランツ同行なら、連れて行くよと言われた。

代わりに、写真を送ってきてくれた。とても可愛い。


「いや、よく見ろ。リーサ、何か、武器持ってるぞ。この雪兎。」


「筋肉隆々過ぎないか。目つきわるっ。」


双子は、隣で何か言ってるが、可愛いと反論。



「む?フランツおじちゃん、新しいペットを飼ったの?ワンちゃん?」


フランツが写真を送ってきた。

ジャッカルだ。

フランツによく懐いてるようで、膝から降りてない。


とある縁で、保護されてきたジャッカルらしく、フランツが飼うことにしたそうだ。


リーサに似て、ちょっと甘えん坊らしい。


「えー?リーサ、甘えん坊じゃないもん。」


「威厳も何もない、ジャッカルだな。」


「撫でられてうっとりしてない?」


ドーラと仲良しらしい。母性本能が刺激されたのか、よく面倒を見ているらしい。


名前は、ギニー。







「リーサから、ツェリが先生になると聞いて、立派になったと心躍りました。」

クロッグを繋げ、マルクスと話している。

「そうなんだよ。ふふ。張り切っていてね。ツェリは、母上の授業を受けていたから、どんなものか、わかっているしね。見学はしばらく控えるように言われてるから、解禁になったら、ログで、写して、フランツに送るから楽しみにしていて。」

「それは、待ち遠しいこと。」

膝に乗っかってきたギニーがクロッグに興味を示している。

これ、おやめと、大人しくさせる。


「その子がギニー?可愛らしいお顔だね。」

「えぇ、そうなんです。ちょっと甘えん坊なところがありまして。元は野生だったのですよ。どうやって生きてきたのか、不思議なほどです。引取先が見つからなければ、処分されていたでしょう。」

「そう。まるで、人に育てられたように人見知りしないように見えるけれど。保護しないと、そのまま、生きてはいけなかったろうね。」


ギニーは、まだ幼いジャッカルだ。力もまだ無い。保護しないと、野生で生きるには難しい。


「ふふ。兄上、ギニーはちょっと前に面白いことをしたのですよ。私の領域テリトリーにある奴が来ましてね。うっかり、私の機嫌は急降下をしてしまって。それをギニーは感じ取った様子で、そいつに噛み付いてしまって。いえ、軽症です。甘噛程度で擦り傷のようなもの。にも関わらず、悲鳴を上げまして。ふーっ。あれで、上役をやってるなど、弛んでるとは思うのですが。」


「上役…?ああ。ギニーは、優秀みたいだね。会ったら、お礼をきちんとしないとね。」


にっこり、微笑む二人。


兄弟仲睦まじく、会話を楽しんでいく。

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