第57話 家庭教師3

「え?ツェリがリーサの行儀見習いの先生に?」

コルルは目を丸くする。

「えぇ。リリーエ先生が授業内容を纏めた資料を送ってくれて。ツェリにもいい機会だからって。」

「そうなのね。ふふ。ちょっと見学したいわね。」

「ふふ。リリーエ先生は、マルクスに言ったのよ。一ヶ月程度は、見学を控えなさいってね。ツェリが緊張するかもしれないし、ベイビーがマルクスがいることで、気を散らすかもしれないからって。」

「あら。じゃあ、残念がったでしょう。」

「妹と姪のために、我慢するって言ってるわ。解禁になったら、見る気満々よ。」

私も姿を見せないように控えるわとフィルはクスクス笑う。



「アルミンには、何かを習わすの?」

「ああ。あの子の興味を唆られるものは、動物や魔物関係だわ。困ったことに。勉強の先生をつけようかと思ったのだけど。中々、いい先生が見つからなくて。ダグラスおじ様が紹介してくれる人を待ってる状態なの。」

「そうね。」

色々、しがらみもあり、慎重になっている。

「最近、クラブ活動と言うの?そういうのも流行ってると聞いてね。読書クラブっていうクラブがあるらしくて、本を読んで、感想を言うような感じで。中々、楽しそうかなって思ってるわ。」

「それはいいわね。楽しそう。」

会話をしてる間にリーサが、アルミンの飼ってる白蛇、タエコを首に巻き、見て、ゴージャスだと双子に見せびらかしている。


「あの白蛇、見たことがないのだけど。どうしたの?」

「いつの間にか、庭にいたのよ。アルミンが中に入れてしまったの。白蛇は幸運を呼ぶから、良いとされてはいるけれど。」

「気をしっかり持って。」

遠い目をするコルルを宥める。



「タエコさんは、綺麗な白蛇さんね。美人さん。」

「そうでしょう?アルミンに似て、お利口さんなんだよ!」

「あれ、この白蛇、目の色がちょっと変わってないか?」

「あ。ホントだ。黒かと思ったけど。違うな。角度によって違くないか?え?何で?」

リーサの首にとぐろまいてるタエコは大人しいまま。


「ねー、アイシャは?アイシャも来ると思って、おままごとセット出したのに。」


「アイシャはロイドと遊んでるよ。おデートっていうやつだよ。」


ロイドは、エドガーの弟。アイシャの幼なじみ。


「ふーん、おデートなのね?」


「そーだよ。おじゃま虫さんはいけないんだよ?」


ケタケタ。




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