第52話 クロッグ

通信機器の一つ、クロッグ。  

リーサはクロッグが大好き。

あれを使えば、大好きな人たちと話せるから。

でも、フィルから、勝手に触ることを禁じられた。

おねだりをして、ようやく、触らせてもらえる。

頻度は少なめ。


みんなには内緒だが、リーサは、フランツに繋がる番号を知っている。

そして、それは、フランツから、何かあれば、直ぐに駆けつけると言われた。

フランツは、キングブレストにいるが、リーサには、なぜ、そこに、フランツがいるのか、良く知らない。

でも、ツェリが、言っていた。

フランツは、優しく、面倒見が良くて、責任感が強いから、あんな奴に目をつけられ、嫌な役目を押し付けられたのだと。

いつか、必ず、フランツを取り戻すと、ツェリは息巻いていた。

フランツに嫌がらせをしてるやつに心当たりがある。

古狸だ。名前は確か…デヴィット・ウラノス。

あの査問会の背後にいる奴だ。

現役は退いてるが、未だに影響力がある。

遠くから見たことがある。

嫌な顔をしていた。あいつが、フランツをいじめているのも頷ける。


「フランツおじちゃんをいじめてる古狸なんて、リーサがやっつけてやる。」


「ベイビー、デヴィットなんかに近づいてはだめ。何をされるか。」


マルクスがリーサに任せなさいと言った。

優しいマルクスまで、古狸の毒にやられたら嫌だ。



「ねー、オフィーリアちゃんとお話したい。」

「お話だけよ?」

クロッグをつなげる。

繋げた先で、オフィーリアの母親と話していた。

「おばちゃん。」

「はいはい。」

クロッグを受け取り、お喋りをする。


オフィーリアと話したあと、次に番号を押そうとして、止められた。

クロッグは片付けられ、ブスくれるリーサに、お手伝いをしてと言われた。

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