第50話 お片付け

我が家では、子供が、多く、特に、フィルの負担を減らすべく、上が下の面倒を見ることは、自然の流れだった。


暗黙の了解で、兄弟の一番上、リフェールに逆らってはいけないと言うものがある。

彼自身、優等生で、別け隔てなく、人にやさしく、そして、穏やかな人はそうはいない。

両親からも絶大なる信頼を寄せれられている。


「リーサ、使ったものを片付けなさい。」

リビングで、テレビを見ていたリーサにリフェールが声をかける。

「後でやるー。」

「そう言って、やった試しがないだろ。」

「これ、見たら、やるー。」

「リーサ。」

耳にリフェールが話してる声は聞こえてるが、ちょっと今、忙しい。


「リーサ。」

ぐいっと抱っこされた。

「あー!!」

「これ、ログだろ。後で見なさい。おいで。手伝ってあげるから。」

「えー!!」

邪魔をされたため、膨れ面。

リフェールは、気にも留めない。

「床に散らばったぬいぐるみを片付けないとだめだろ。踏んだりしたら、中の綿がペタンコになる。」

「後で遊ぼうと思ったんだもん。」

「その時にまた出しなさい。おもちゃ箱から出して、色々、飛び出ていたよ。いつまでも双子がお前の出した玩具を片付けてくれるわけじゃないんだよ。」

双子がリーサが出した玩具などをいつも片付けをしてくれる。

片付けが苦手なリーサは、双子頼りな部分があり、いま、放っておけば、片付けができない子に育つ。



「母さんがいないからって、何をしても良いと思ったらいけないよ。ほら、おもちゃ箱に玩具を入れて。」


リフェールの小言は長いのだ。

叱られたため、ブスくれた顔のまま、おもちゃ箱に入れていく。


「出来た!!」


「リーサ、それは、箱にデタラメに突っ込んだだけだよ。」


「入れたもん。」


「入れただけがお片付けじゃないよ。」


「むー、リフは、細かい。」


「なんて?」


「何でもない!!」


リフェールの合格点に行くには、まだほど遠い。





片付けを済ませ、リビングで、再度、テレビを見てまったり。


お皿に盛ったお菓子と淹れて貰ったお茶を飲みながら、テレビの音だけが響く。


ウトウト…


すう… 


zzz. .


ドッカーン!!!


ビクッ!!!



「なに!?」


襲撃??物凄い爆発音がした。

微睡んでいた意識が一瞬で、意識を覚ます。

そして気づく。

あ。スペンサーの失敗だ。

なーんだ。


バタバタバタ…


「スペンサー!!!!」


リフェールの叱る声を耳にしながら、リーサは出来る子と気配を隠す。



「ギャーッ!!」


マッキーの悲鳴が上がる。どうやら、スペンサーの実験失敗による悪臭が、廊下に染み付いたようだ。

たまたま、廊下を歩いていたマッキーが被害を被った。



「スペンサー!!!何度言ったら、わかるんだ!!自室で調合をやるな!!部屋が壊れた部分と廊下の臭い消しは、お前が片付けなさい!!」


ちゃっかり、ニオイが鼻を刺激しないように、魔法で効かなくしてる。


「出来ると思ったんだよ~」


「このバカ!」


二階で二人の言い争いが発展している。


リーサは気づいた。


フィルが帰宅してきたことに。


避難してきたマッキーを連れて、奥部屋に隠れる。


フィルの大声が響く。







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