第44話 学校の探検 学校の七不思議編
メニーポンズ・学校の七不思議
① 学校の森の奥には、ある種族が棲み着いていて、大きな町が出来ているらしい。
② 夜になると、音楽室から、ピアノの音がするらしい。
③ 別館の実習室(A)は、特別な方法で入ると、別の場所に飛ばされるらしい。
④ 大階段の広間は、26段あるが、月夜の夜に丁度、月光が差し込むと、昔のお姫様のような格好をしたゴーストに会えるらしい。
⑤ 本館と別館を繋ぐ廊下の渡り廊下では、絶対に口笛を吹いてはいけない。
そうすると、不幸が降りかかるらしい。
⑥本館の奥にある通称・物置部屋の部屋には、ゴーストが住んでいて、扉の前にも一人、ゴーストがいる。そのゴーストは、首を突っ込んだままで、中を覗いてるようだ。
首を突っ込んだままのゴーストにどいてくれと言ってはならない。言ってしまうと、怒り狂い、ポルターガイストを起こすらしい。
⑦学校の女子トイレには、"ガブリエル"と言うゴーストが棲み着いていて、女子のトイレを覗く変態がいるらしい。
「ふーん?ガブリエル?リーサ、見たことない。」
オフィーリアが先日、女子トイレを使用した時に、ガブリエルに遭遇したらしい。
繊細なオフィーリアは驚き、悲鳴をあげた。
トイレの近くにいた子たちが慌てて、中に入り、オフィーリアの救出に向かったそうだ。
「オフィーリアちゃんをびっくりさせたガブリエルに注意しなきゃ!!探しに行こ。」
「僕たちは、男の子だから、中に入れないから、お外にいるね!中で何かあったら、大声、出してね!」
「わかったあ。」
虱潰しに、女子トイレを巡回。
ガブリエルは、定期的に、女子トイレに出没するが、どのトイレにいるかは、気分次第の為、わからない。
「んー。いないなあ。」
「リーサでも見つけられないなんて!!ゴーストってすごいのね?」
「透明だからじゃないの?」
「何か、惹きつけるものを考えてみようよ。」
わちゃわちゃ。
「あの子たちは、何をしているの?」
「ガブリエルを捕まえて、お説教するんですって。」
「ガブリエルを?あれは、先生たちでさえ、手をあげてるのよ?無理だわ。」
甘えん坊たちを見守っていた子どもたちは、困惑。
ガブリエルの悪癖は、代々、生徒たちを悩ませていたので、昔から、学校側としても、対策はしてきた。だが、筋金入りの変態は、そう、消えたりしない。死んでも治らないバカとエロである。
「んー、ゴーストが好きなのってなんだろう?暗闇とか?」
「ふーむ。芳香剤とか?おトイレに住んでるんでしょう?香りがいいやつが良いんじゃない?」
「むー。あのさ、昔からいるなら、お母様たちも知ってるかも?聞いてみようよ!」
「いいね!じゃあ、みんな、聞いてきてね!わかったら報告ね!」
えいえいおー!!
夕食時に、リーサは、ツェツリーエに聞いた。
「ガブリエルって知ってる?女子トイレに出るやつ。」
フォークとナイフの手を止め、口を開いた。
「えぇ。知ってるわ。ガブリエルね?なーに?アイツ、まだ成仏してないわけ?」
「ガブリエル?」
マルクスが首をかしげる。マルクスは聞いたことがないようだ。
「学校の七不思議の一つ。女子トイレにしか、出ない霊だよ。ほとんどは、女子のみの被害で、学校側も対策はしてるけど、中々ね。進展は見られないんだ。」
サラトガの説明に眉をひそめ、フィルに聞く。
「フィルは知っていた?」
「ええ。実は困っていたの。リリーエ先生が、携帯用の聖水をくれて。それを肌見離さず、持っていたら、遭遇しなくなったわ。」
「私は苛ついたから、お母様にもらった聖水をぶっかけたわ。てっきり、成仏したと思っていたのに。」
「オフィーリアちゃんが怖いって。でも、リーサは、ガブリエルに会わないから。どうやって見つけようかなって。」
「そんな変態な霊が…?しぶといみたいだね。」
「お前、どう思う?リーサは、ガブリエルと会わないと思うに一票。」
「俺も一票。」
双子は悟っていた。リーサは、ガブリエルに会うことは無いだろう。
何故なら、ガブリエルが、女子トイレにおいて、標的にしてるのは、大人しい子・美少女。
最大の理由は、リーサは、ガブリエルに対して、おそらく、何かしら、やらかすに決まっている。
それを感じ取ってる気がする。
「ガブリエルって元騎士なんだって。動くときは鎧の音がするって聞いたの。」
「とりあえず、リーサ、あなた、オフィーリアちゃんがトイレに行きたいときは、一緒に行ってあげなさい。もし、ガブリエルに会ったら、この聖水をぶっ掛けなさい。」
小瓶に入った聖水を受け取る。
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