第43話 呼び出しを食らいました


甘えん坊たちは、震え上がっていた。


保護者たちが呼び出されたのだ。


ゴットリーは、静かに待つだけ。


みんな、ゴットリーから離れない。


「規則では、守り神の敷地内に無断で入ってはならない。近づいてはいけないと、教えましたよ。」


「ちょっとだけ、見るだけだったの。悪戯してないもん。」


「わがままをいってないもん。」


「そうだよ。」


「嘘じゃないもん。」


言い訳を述べる甘えん坊たちに、してはいけないのだと、強く、辛抱強く話している。



それぞれ、気配を感じる。

来たと。




「ベイビー!!」


「アルミン!!」


「フラン!!」


「ノア!!」



ビクッッ!!!!



現れた保護者たち。



「マッキーたち、呼んで…。」


「パパを呼んでぇ。」


「お兄様…。」


「やぁ。兄様…。」



ブルブル…



「うええん!!」


怒られ、泣きじゃくる四人をそれぞれ、抱っこして、ゴットリー、ひいては、用務員であるサンタに謝罪を述べた。




「今日はバスでは帰れないでしょう。悪いですが、そのまま、お連れになってください。」


「もちろんです。」


グズグズ、泣いてる4人は、絶対に離してない。荷物を持って帰る支度。




「マッキー、オルドー、ベイビーのわがままを素直に聞かないの!!」


『ごめんなさい。』



双子は、並んで、お説教中。



「規則を破るなんていけないことなの!!用務員さんが居てくださったから良かったとかではなく、立入禁止区域には、足を踏み入れてはいけないの。理由が必ず、あるのだから!いい?次はベイビーがやらかすと判断した時には、無理だと強く、断りなさい。ダメそうなら、先生にでも話しなさい。いいわね?」



『…はい。』


フィルは大きくため息を吐く。


双子は、リーサさえ、絡まなければ、ルール違反をしない、模範的な子たちである。


双子経由で、呼び出し食らうことは、ない。


すぐ上のスペンサーは、呼び出しを食らうことは常習犯。



「まあね。まだ表面的なわかりやすいものならいいのよ?問題なのは、親に隠すために、年々、知恵を絞って、工作し始めたら、危険だわ。悪知恵は働くと厄介なの。」

フィルの言うことに強く、首を振る保護者たち。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る