第42話 学校探検 ケルベロス編


学校の守り神は、学校を守る番犬でもあり、外部からの攻撃から守るために、存在している。


学校には、それこそ、歴史的資料や歴史的貴重な品物などが保管されていて、泥棒から、盗まれないように、防犯的な意味合いでいる。


契約により、学校関係者に、手を出すことは出来ないが、とても強い魔物達が、専用の部屋で待機している。



絶対に抱っこから降りないという約束により、やってきた。

地下に通じる階段を下がり、静かな空間。


マッキーはアルミンに抱っこされ、リーサはオルドー、サンタさんが、フランとノアを抱っこして、階段をゆっくり、降りている。


壁や天井には灯りがついており、危険は少ない。


魔法がかかったランタンがふよふよと浮いている。

行き先を教えてくれる。



「重くない?」


「大丈夫。」


サンタは、両手に、フランとノアを抱っこしているのだ。にも関わらず、足取りは軽やか。



「力持ちさんなのね。」


「すごいね!!」


「ケルベロスって家で飼える?」


「リーサ、ケルベロスは、家では飼わない。家でも無理。母さんが倒れる。」


「ワンちゃんだけど、だめなのね?」


「魔物だよ。」


友達が最近、犬を飼いだしたのをリーサは、聞いていた。

可愛らしい子犬で、お利口さんらしい。



「見えてきたね。ほら、足元に気をつけて。」


大きな門が開き、中には、立派な檻が存在している。

ケルベロスが、テリトリーに入った人物に気づいたようで、振り向いた。


本で見たようにとても大きく、艶々とした漆黒の毛並みで、瞳が血のように赤い。

犬歯はとても鋭く、噛みつかれたら、一溜まりもない。

爪は分厚く、尖っていて、引っ掻かれたら、大怪我は必須。



3つの頭を持っていて、それぞれ、状況把握してるようだ。

目を忙しなく、動かし、危険性は特に無しだと判断した様子。

用務員をちらりと見ている。


「わー。」


アルミンの目には、ケルベロスがとても可愛いく、愛嬌のあるお顔が3つもあり、高貴さを感じるケルベロスに感動中。



「大きい!!アニマより、小さいかな?でもかわいい!ワンちゃん。」



「ケルベロスと犬を一緒にするな。」


違う。


「大きいのね!お散歩大変ね?」 


「でも、一緒に歩いてくれるんじゃない?お利口さんみたいだよ?」


「ハハッ。」


ケルベロスは困惑していた。

子供が自分を怖がらないことに。



「お昼は食べた?アルミンも食べたよ!!今日はねー、野菜炒めだよ!!」


「リーサは、オムライスだった。」


「僕はね。カツサンド。」


「ノアはね。肉とかぼちゃのパイ。」


キャッキャ。



「はは。ケルベロスの方が困ってるとは。」


「何だか、ごめんな。」


「悪いな。」


きゃー、きゃー、はしゃぐ子どもたちに、ニコニコ。






「あれ?何か、嫌な予感が…?」

コルルは、手にしていた針を止め、あたりを見渡す。 

足元には、この前、加わったムーンキャットがおもちゃで遊んでいる。


そして、先日、アルミンが見つけたサトリという猿を連れて帰ってきたのだ。

足元から崩れた。

学校の森で拾ってきたのだ。

抵抗した。だけど無理だった。

名前をつける際、リーサとアルミンは喧嘩をした。

その際に、つけられたのは、チャッキー。

真っ白な毛並みと焦げ茶の肌をしていて、非常に甘えん坊。


「コルル様、ゴットリー先生から連絡が…。」


「…もううちには、新しい魔物は、いらないわ。」





「はい。ハルベルです…あら。ゴットリー先生、こんにちは。えぇ…え?ベイビーが??…わかりました。申し訳ありません。今向かいますわ。」

ガチャッ。


「ベイビー!!」





ビクッ。


リーサは何かを感じ取った。

キョロキョロ。




何度目かの呼び出しを食らった。


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