第40話 マッキーとオルドー


マッキーとオルドーは、双子。

大家族の一番下と言うこともあり、可愛がられている。


叔母であるツェツリーエが、双子の誕生した2年先に妊娠をし、子を産んだ。

図らずも下に兄弟のような子が出来たわけだ。


初めて、リーサを見た時、自分よりも小さいことに驚き、不思議であった。 

両親や周りが、小さいリーサに構いかけて、嫉妬心を抱いたかと言われれば、そうはならなかった。

なぜなら、リーサは、赤ちゃんの頃から、双子の姿が、見えないと、泣きじゃくり、呼びまくる。

ハイハイが出来るようになると、後ろをついて回る。


妬いてる暇などなかった。



二人は考えた。リーサを守らねばと。



成長したリーサは相変わらず、双子から離れない。




「どきなさい!!マッキー、オルドー!!ベイビーには、きちんとわかってもらわないといけないの!!」


母親がリーサを叱るために、鬼になっている。

リーサの盾になってるのは、言わずかな、双子。

リーサは、背中から出てこない。


「母さん、リーサも反省してるから。」


「な?もうしないよな?」


「もうしない〜。」



「マルクスのマネをしなくていいの!!ツェリを叱ろうとすると、フランツと一緒に守ろうとして!!引き離すのに、どれだけ、大変か!!」



「あら、嫌だ。飛び火だわ。リーサが悪いのに、私が悪いみたいな。風評被害よ!」


引き離されたリーサは、きちんと叱られた。




05∶30 AM


寝室で眠っている双子。

双子の間に、リーサが寝ている。川の字スタイル。

しかし、今日は違う。

リーサの姿が見られない。


バンッ。扉を豪快に開け、現れたリーサは、マッキーの身体によじ登り、声を掛ける。


「ピクニックだよ!!」


「…。」



眠たいのだ。リーサの声に反応を見せてはいけない。


「ねえ!起きてよう!!」


嫌である。まだ寝ていたい。


身体をどれだけ、揺さぶられようが、ベジベジ叩かれても、目を開けたくない。


「…起きてやれよ。ご所望だぞ。」


「お前が起きろよ。」


なすりつけ合い。


「起きて!」


「…何時?」


「ん~~と、5時半!!」


「…早い。」


このまま、寝てしまえば、二度寝で起きた時に辛い。


あー…


「あー…わかったよ。起きるって!」


「早すぎる!あとせめて、30分後でも良いじゃないか…!…リーサ!!スペンサー、起こしてこい。」


「いいよー!」


こうなったら、巻き込んでやる。


あくびをかく。


リーサが顔を水につけて、洗うのが苦手なため、適度な温度に保った蒸しタオルをオルドーが用意し、リーサの髪をとかして、結う役目を持ったマッキーは、朝の支度にかかる。




スペンサーの部屋から、ギャーッと言う悲鳴が上がり、周辺の部屋で寝ていた兄弟たちも目を覚ました。





「…ヤバイ。リーサがこっちに来る…。ツェリ、早すぎるけど、起きて。」


サラトガは、ツェツリーエを守るために、起こす。




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