第39話 ツェツリーエの買い物


買い物が大好きなツェツリーエ。

よく、出没するのは、服屋・宝石店・靴屋など。

たくさん、洋服や靴、鞄などの小物は、ツェツリーエの衣装部屋に収納されており、サラトガが管理している。

掃除など管理面が苦手なツェツリーエに代わり、サラトガが、綺麗に整理整頓。



ツェツリーエのお気に入りの店の一つ。

いつもツェツリーエが買っているハイヒール店。

ブランドのお店で、高級な材料を使い、作られた逸品。

常連客であるツェツリーエには、応接室に通され、ハイヒールを見せていく。

「それは、災難でしたね。悪戯ピンキー…私も嫌な目にあったことありますよ。」

「最悪な気分だわ。」

上品な女性店員がツェツリーエの話を聞いている。

リーサが母の買い物に飽きて、猫のように、ソファーに沈んでいる。


「リーサ、いい子にしてなさい。」


「構いませんよ。子供用の靴もありますが…ご覧になられますか?」


「今日はいいわ。素敵な靴ね。これ。悩んじゃうわ。」


「お時間はいくらでもあります。」


リーサは、おやつの時間のおやつを考える。

何にしようかな?

パンプキンパイ?それともモンブラン?んー、ショートケーキ?でも…むー。




「疲れたあ!カフェに行きたい!!」

「あら。うるさいわ。もー、まだ行きたいとこがあるのに!!いい?あなたもきちんと見なさいね。良いものを見て学ぶの!!」

「足が痛い!!抱っこ!!」

「私の二の腕が太くなったら、リーサのせいだわ。」

ギャース!!



モンブランにコーラ。

籐の椅子に座り、運ばれてきたケーキとコーラを嗜む。

「おもちゃ屋さん、行きたい!!」

「嫌よ。休憩挟んだら、宝石店に行くのだから。」

「えー!」

取り付く島を与えない。

ショートケーキをフォークで掬う。

「予定にないからだめよ。」

「ままばっかり、ずるい!!」

「おだまり。」

ツェツリーエは娘に容赦ない。

が、娘も母に負けない。


「だって、あそこにもあっちにも、リーサを見てくるんだもん。」

「あなたが、キャサリン・マガーのとこに行ったからでしょう。甘んじて受けなさい。」

リリーエから厳命され、リーサを監視するメンバーが複数、待機している。


「おばあちゃんにお願いして!!」

「あら。いやよ!私が叱られるわ。」

この件に関しては、フィルは、リリーエに賛同してるため、やめさせることは不可。




ツェツリーエは、買い物が大好きなため、長時間、買い物するだけの時間を作る。

甥たちは、それぞれが、押し付け合い、ツェツリーエの買い物の付き合いをしたくないと嫌がっている。

付き合えるのは、実兄とサラトガ。

息子たちがあまりにも言うことを聞かない場合、ツェツリーエの買い物の同伴を命じることがあり、1つの罰扱い。

ツェツリーエは、不名誉だわと言ってるが、罰なものは罰である。


この罰によく当たるのは、ネフェルだ。

ネフェルは悪癖があり、両親から、度重なる注意を聞かなかった場合、これが施行される。


「なんで?ツェリおば様はわかるけど、カイヤまでいるの?」


「フィルに頼まれたのよ。不服だわ。私の買い物を罰にさせるなんて。」


「それを言うなら、私もよ。ひどいわ。お兄様やサラトガは、何も言わないのに?」


今日はツェツリーエとカイヤの買い物に付き合う。


この罰には、リーサは、行けない。


リーサは二人に物怖じしないからだ。


「リーサを…。」


「無駄な足掻きはよしなさい。リーサは留守番よ。ねえ、カイヤ、あなた、どこに行くか、決めた?」



「大体、決まってるわ。でも確実に行きたいのは、ブラックには行きたいわ。今度、結婚記念日があるから、ジンに着飾った私を見てもらわないと!」



「あら、いいじゃない。」



「…。」


まだ始まってすらいないのに、虚無な顔をしたネフェルは、ドナ・ドナされ、外出。





帰宅したネフェルは、屍のように倒れ込み、甥たちは、戦々恐々。

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