第33話 ロッシュヴォーク

ロッシュヴォークの始まりは、3頭のドラゴンと一人の少年から始まった一族。


アルミンの家にいる3頭の内の1頭であるアニマは、全長三メートル。本来の姿は、もっと大きいが、ロッシュヴォーク家の館に合わせて、縮んでいる。


紅い鱗を持つドラゴンで、3頭いる中で、最も穏やかな性格を持つ。

ロッシュヴォーク家の守り神であり、ロッシュヴォーク家に仇をなす者に容赦はない。


アニマは、ロッシュヴォーク家の館の奥にアニマ専用の部屋にいる。

アルミン宅には、もれなく、多くの魔物が棲み着いているが、彼らは、アニマに逆らう事をしないし、何より、アルミンに忠実。

そして、何だかんだ、コルルにも懐いているため、安全。


アニマを部屋から出すのは、いつだって、アルミンとリーサである。

再三、アニマを出すなと言われてるが、言うことを聞かない。

アニマを自慢するんだと昔、外に連れ出そうとし、止められ、二人で、ゴネて、敷地内であればと、諦めたギルベルトから、許可を得た。

あくまで、敷地内である。


「アニマー!!」

ひしっ。鱗が冷たい。抱きつくと、とても硬い。アニマは、リーサを傷つけたりしない。

アルミンやリーサのことを、しょうがない子だと、優しい気持ちで見ている。


「リーサ、部屋から出すな。ギルベルトおじさんに叱られるぞ。」


マッキーが注意を飛ばす。

家族の付き合いで、幼い頃から、面通しをしているため、慣れもあり、そして、アニマは、マッキーたちを襲わないとわかってるため、普通にしている。




日中にリーサたちが遊びに来ていた。

ハッスルしたアルミンは、遊んで疲弊した。

いつもよりちょっと早めに就寝。



「…むう?」

ゴソゴソ。おトイレに行きたい。

パチッ。


隣にはすやすや眠る妹がいる。

アイシャといい、ギルベルトそっくりの顔たちで同じように表情筋が死んだように動いてないが、兄であるアルミンには、丸わかり。

とっても可愛がっている。


アイシャを起こさないために、そっと起きた。



トイレに行き、自室に戻るだけ…。






「…。」

トイレから出たら、目がより、冴えてしまった。

アルミンは、自室に戻るよりも、アニマの部屋へ向かう。ちょっとだけ、遊ぶのだ。



壁やランプに魔法がかけられており、動き出す仕組みになっていて、口々に、アルミンに声をかける。


「アルミンちゃま。アルミンちゃま。お部屋にお戻りください。」


「もう夜でございます。」


壁やランプは、アルミンを気遣い、暗さで怖がらないように、明るさを灯す。


「ちょっとだけ。」

タッタッタッ。



ガチャ。

アニマの部屋の鍵は、ロッシュヴォークの血が入ってないと、開いたりしない。

アルミンは、安々と、鍵を開けてしまう。


中には、アニマがいて、アルミンの姿を映している。

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