第30話 キャサリン・マガーの悲劇4

センサーに引っ掛かった。

「おじちゃん…?」

入り口を見る。



ダダダダダ…

バンッ。


軍団が入ってきたのかと思うほど、重厚な足取りに威圧。


入ってきたのは、バラバラではあるが、それぞれの保護者たち。

目に写ってる光景に、今にも、弾圧しそうである。


「…フラン…!貴様…!私の可愛い弟を離せ。」


ズカズカと入ってきたテオドールは、フランが泣いてることに気づいた。

すぐさま、引き離すために、近寄り、そして、奪い取る。

体に異変は無いか、頭から足の爪先まで確認。


「フラン…!大丈夫か…?何をされた。兄に教えなさい…。」

「ふぇぇ。」


目の前に、大好きな兄がいるため、安心して、更に泣きじゃくり、抱き締める。



「ノア…!!」

「お兄様…!!」


足をパタパタしているノアは、兄を見てニコニコ。自分を追いかけて来たのだろうか?


「汚い手で、かわいいノアに触れるな…その腕いらないな…?」

「ひっ…!」


殺気を飛ばすチェザーレに一切、気づかないノアは、手を離した隙に、ノアは、兄に抱きつく。



「アルミン、説明しなさい。何で、ここに?」


「んーとね?リーサがね?あのキャサリンがフランツおじちゃんを馬鹿にしたからね。お説教しに行くって言ったの!で、ついでに、フランツおじちゃんの事を自慢するって!でね!僕たちも自慢したらって…じゃんけんしてね。フランからお話しようとしたのに…あの人がね、フランに触っていい?って聞かなかったの。フラン、怖くて泣いちゃったの。」


「色々、言いたいことがあるが、とりあえず、キャサリンに近づくな。勝手に入るな…。」



「ベイビー…!!」


「おじちゃん!!」


久々の再会かと思うほどの大袈裟な抱きつき。

ちなみに、リーサを抑え込んだ奴は、床とこんにちは。


「だめだよ!ベイビー、めっ。あんなやつに近寄っては…!毒にね…やられてしまう。」


「キャサリンなんか、怖くないもん。」


「さあ、ここは空気が悪い…帰ろうね。」


「待って!あのね、さっきね?ノアがね、読んでくれたの…あの…あれ、あれにね、フランツおじちゃんを悪魔って書いてあるって。」


そう言うと、マルクスは、眉をしかめた。



「ちょっとあんた達、いい加減にしなさい…!!訴えてやるわ!!ズカズカと…!!不法侵入!!」


キャサリンが喚く。

キャサリンからしたら、勝手に入ってくるわ、勝手に原稿を見るわ。踏んだり蹴ったり。


「然るべき処置をさせて頂くから!!」

「お顔が怖い…。」


ノアが怖がり、兄に抱きつく。

キャサリンの目が見開いて、大きく口を開いた表情が、迫力がありすぎる。


「ノア、大丈夫だよ。兄様のお顔を見ておいで。」


優しく、弟を撫でる。


「ギョロ目ちゃんと同じ目だ。」


呑気にお気に入りのキャラと同じ目だと指差すリーサにマルクスは、リーサを、抱っこしながら、合図を送る。





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