第27話 キャサリン・マガーの悲劇

リーサは、事もあろうに、アルミン達に、キャサリン・マガーの存在を知らせた。

よく知らないアルミン達は、誰なの?とばかりに、こっそり、町に繰り出して、見に行った。



ノアやフランの護衛にバレたら、叱られる所ではない。

だからこそ、隠密行動が、大事。

護衛に気づかれないように、コソコソ。


「あ!早く戻らないと…!!」

護衛にバレてしまう。

バタバタ。ちょっとだけ、とある道具を使って、抜け出してきた。



護衛にバレないようにコソコソ、戻り、今度は、護衛も連れて、堂々と練り歩く。


「足が疲れちゃった…!お店で休みたい。」

「ノア様、大丈夫ですか?」

「リブールに行こう。」


チラッ。四人は目線を合わせる。

リブールは、さっきのカフェ屋だ。

勘であるが、なんとなく、まだ、いる気がする。


「では、席取りを先に行きますので、他の者達とゆっくり来てください。」


ノアの護衛の一人が走っていく。

ノアを溺愛してる兄たちが弟の為に、優秀な腕の立つ者を側に置かせている。

他にもノアの面倒を見るためだけにいる四人のメイドがいて、そのメイドも腕がたつ。

加えて、フランも兄たちから、護衛をつけられ、乳母のアンネが追従している。


「二人と歩いてると王様気分。」

「そう?」

「そうだよ!大国の王様だよ!」


四人がお喋りしながら、店に向かう。



あれ、何だろう。チクッ。


ジャーナリストの勘と言うのか…何が視線を感じる。マダムの部下の視線…?それともハルベル…いや、この前の愛人報道を暴露した…

まあ、誰でも良いけど。


あたしは今日は、フリーなの!!


一般市民に何かしたら、只事ではない。

ふふ。まあ、何もされなくても、大袈裟に言い回しますけど。

ネタ提供、ありがとうございますって感じ?




「もぐもぐ。」


ドーナツを頬張るのに、ちょっと忙しかったが、目線は、キャサリンを捉えている。

生搾りオレンジジュースをゴクゴク。


「ちょっとおトイレ。」

「リーサ様、ついていきますよ。」

「一人で行けるー。」

席を立つ。


ちょっと遠回りして、バレないように、キャサリンの鞄にくっつけた。


追跡型のてんとう虫バッジ。

スペンサーの開発品だ。

よし!トイレに入って、スイッチを押す。



キャサリンはしばらくして、店を出た。

つけられてるのに気づかずに。



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