第6話 入学式を終えて
つつがなく、終わった。多少、ちょっと問題はあったけど、大丈夫。
コルルが天を仰いでいたけど。アルミンの側から離れないあの猫は、飼うことになったようだ。自然の摂理だ。仕方ない。
「コルルおばちゃん、どうしたの?泣いてるの?」
「やめなさい。」
父に止められた。ギルベルトが近づいてきた。リーサにとっては、叔父にあたる。
ロッシュヴォーク家の特有銀髪にシルバーの濃い瞳をしていて、表情筋が死んでるように、表情が変わらないが、性格は至って、普通。
サラトガとは、仲良しな兄弟。
「大騒ぎして申し訳ない。コルルはもう少ししたら、落ちつくから。」
ちらっとコルルを見る。コルルは明るい髪と瞳をしていて、入学式のために着飾った綺麗な空のワンピースを身に着け、お化粧もしている。ちょっと泣いたため、化粧は、崩れているが、仕方ない。
「コルルおばちゃん、感動して、泣いてるの?」
「違う。アルミンが拾った魔物を家に連れてかえるからだよ。」
「コルルおばちゃんがリーサを見てるう。」
「余計なことを口にしないよ。リーサ。コルルは傷心中なんだから。」
コルルがリーサを見ている。違うわ!と全身で訴えている。
アルミンは、猫に夢中。
「あ!ゴットリー先生、見て。リーサのおじちゃんとおばちゃんだよ!おじちゃん、おばちゃん、ゴットリー先生だよ!」
グイグイと引っ張り、引き合わせる。
「ベイビー、めっ。失礼よ。」
「なんで?」
「はじめまして。担任のゴットリーです。…私、決めました。」
「え?」
フィルは、リーサに注意する。
ゴットリーの呟きに反応をすると、強い眼差しで強くうなずいた。
「私は宣言致します。この子達に、常識を覚えさせ、立派な大人になるように!!」
ビシャーン!!
稲妻が落ちたかのように、轟いた。
「…まあ…!!」
フィルは、感動で震え、ゴットリーの手を包む。何か伝わったらしい。
「仲良しになったの?」
「あら、大変よ。リーサ、フィルが先生と仲良くなった今、学校生活は筒抜けね。」
「筒抜け?筒抜けってなーに?」
母のつぶやきに、質問を投げるが、しょうがないことよと頭を撫でられた。
無事に帰宅した。
夜は、入学式祝のパーティーが開かれる。
リーサの好物ばかりが並ぶ。
コカトリスの肉を使ったプリプリの熱々、揚げたてジューシー唐揚げに、ホカホカのシチューとパキンと殻を割ると身がたっぷり入った新鮮で甘い大海老を貪る。
ケーキは、つやつやのいちごがたくさん乗った生クリームケーキ。
普段なら、お行儀が悪いと叱られるが、大海老を両手に、満足げ。
「リーサ、あまり、頬張ると、喉を詰まらせるよ。」
「コモゾリスにそっくりよ。」
「もぐもぐ。」
大海老に夢中なために、両親からの指摘に気づかない。
ちなみにコモゾリスとは、リスの中でも大食らいで、小さい体で、口の袋は、他のリスよりも3倍は大きく、物を収納出来る。
お腹いっぱいで幸せである。
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