第5話 入学式当日4
講堂で開かれた入学式は、お祝いモード全開で、天井には、特殊な魔法がかけられており、新入生が登場した際には、綺麗な花火の天幕が歓迎している。
椅子には、魔法がかけられており、小さい子供に負担がかからないように、負担が少ないように、腰とお尻に優しい椅子使用。
保護者側の椅子にも同じ仕様がされている。
式の途中で、在校生代表の歌のお披露目とちょっとしたハプニング。
愛らしい動物が出てきて、アルミンがハッスルしたが、問題はない。
その動物がアルミンに懐いてきたが、問題はない。そう、無いのだ。
「かわいい猫だね。」
「おとなしいね?」
「どこから来たの?模様が素敵ね?」
周りは猫じゃないと大騒ぎである。猫の魔物で、額に月の模様があるれっきとした魔物で先生が立ち上がり、その魔物を排除しようとしたが、出来なかった。アルミンのせいである。アルミンは、無類の動物好きであり、保護してきた動物は、家でたくさん、飼っている。
ちなみに、その猫は、ムーンキャットといい、肉食で、猫のしなやかな肉体と俊敏さ、鋭い爪で餌を捕る獰猛な猫だ。
アルミンの悪い性質が出てきた。いや、アルミン自身、どうしようも出来ないので、責められない部分はある。
アルミンは、ロッシュヴォークの血を誰よりも濃く出た子で、その血は、魔物から好かれる何かしらのフェロモンが出てるようだ。
保護者席から、アルミンの母であるコルルが叫ぶ。
「うちには連れて帰らないわよ!もうすでにたくさん、いるでしょう!?」
悲痛な叫びと必死である。我が子のその性質ゆえとはいえ、アルミンがもっと幼い頃から、拾ってくる魔物たちは、世間一般的に、強敵の魔物たち。
ずぶ濡れた犬がいるからとリーサと共に、連れてきたのは、ブラックドッグである。
他にも色々、我が家はいつからか、魔物園と言われている。コルルを労るように、夫のギルベルトがなだめていて、離れてる席から、フィルがなだめに向かう。
「猫ちゃん、寝ちゃったあ。」
「式が長いからね。おねむさんになるよ。」
「お昼寝って大事なんだよ!」
「寝る子は育つんだよ!」
「耳を貸しなさい!!」
会場がコルルに同情を寄せているが、ゴットリーは呆気に取られていた。まさか、ここまでとはと。
一旦、安全のために、式は中断されたが、諸々、進行され、無事に終了。
教室に一同、向かう。
新しい教室に、明るい日差し。
誰のせいでもない。そう。式がちょっと長かった。想定してるよりも。故に、持たなかった。何が?体力が。
ノアの頭がゆらりと揺れる。眠ってはいけないと抗ってる様子だが、何分、心地よさと疲れから、日頃、お昼寝をしてる身であるノアには、ちょっと大変である。
学校にあがるために、ノアの母が、何もしなかったわけではない。ノアが寝ないように少しずつ、工夫しながら、昼寝をずらしてみたりしていたが、限界突破。
うつらうつら。
「ノア、もうちょいだよ!」
「フレフレだよ!」
「頑張って!」
声援を送る三人。ノアは懸命に目をこすりながら、抗う。しかし、無理だ。睡魔は、ノアを離さない。
「…。」
ゴチン。机にぶつかったノアの額の音だ。理解したリーサが、窓を開けて、ノアの母を大声で呼ぶ。
「ノアのまま、ノア、頑張ったけど、寝ちゃったぁ!!おでこに思い切り、あたったから、赤くなってると思う!!」
ノアの母親は、待機していた。だから、ちゃんと、聞こえた。まずいとノアの母親は、焦る。大丈夫。冷やせば、おそらく、ノアの額は治る。むしろ、それよりも、ノアの兄達を黙らすことが先決。
「今、向かうわ。」
ノアの母親は、ノアを迎えに行く。
もうすでに、眠りの世界に飛び立ってる息子を家に連れて帰るために。
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