第6話 本題 1
十一 (続きということで)
「ねぇ赤瞳さん。アメリカ大統領狙撃事件の犯行はどう観るの?」
環奈はまだ、想いの丈も定まっておらず、途筋になるべき経験を生育中であった。
うさぎはこれを第一関門とするために、ヒントとするべき情報を教えることにした。
「移民の使命は話しましたが、欧州諸国の勢力図が存在し、結束を図った経緯が浮き彫りになっています。それが歴代大統領に顕れています」
「その民族性を紐解くのに必要なのは、盛者必衰の
楓花は、自身の伸び代を支えてくれた
『解らないことがある場合は、心に宿る虫さんに問い掛ければ、民族の習性を、夢に映してくれますよ』という、ヒントを呑み込んだ。それは、三人寄れば文珠の知恵、で証明されていて、楓花とサキの成長にも繋がるからである。
人がひとりで生きていけない理由は、永い人間の歴史が教えていて、隠された嘘や方便を教えるために、血潮の流れで知らせてくれるのだ。それは、自ら経験して身につけるものであり、最期の最後に出す決断を養うものである。それを教えて終えば、世間様の喧騒に溶け込む怠け者となにも変わらなくなるからだった。
北半球と南半球で気候に差があるとして、欧州には大陸で繋がる国が存在し、世界地図の中心は国により異なるはずだが、面積上一番大きいヨーロッパとアジアの分断は誰が引いたのだろう? はじめから存在する民族は変更を余儀なくされ、民族的に文化が異なる。それは永い年月をかけて進歩と退化を繰り返して、風土に併せてきた。
利便性を考えれば、需要と供給のバランスが大事だが、天候に左右される植物を主食とする生命体に、その概念を強いることはできない。絶滅した生命が存在して、生き残った生命といえど、生き残る可能性を模索しない限り、安心には至らないからだ。
知恵を持つ人間にしても、自然界の脅威を打ち消すことはできない。それが災害の怖さであり、雨粒でさえ岩に穴を空ける威力を持っていて、形状に変化が顕れる。
赤子がなんでも口に運ぶ習性を示すが、見た目に感動を覚えれば、大人でも口に運んで終う。それを習性とみれば、生命の維持が優先順位の上位にくるのが当たり前なのだ。そして、ユダヤ民族が、金融の独占を望んだわけもなく、利益を隠した結果、貴族・豪族等からかすめ取った事実を残して、世界中に散らばったのだった。同じように散らばった架橋(中華系)が、商店(飲食店)で小銭を溜め込んだ。塵も積もれば山となる、の論理で財力を得て、街に取り込まれて行った。
財力を得た者たちは、不埒な欲を膨らませる輩を成敗するために、武器を集め自警団を組織していた。軍の装いに膨れ上がると、自警団が訓練を課した理由は、国という境界線を引くことで、民族の安住地を持つことに固執した。それが、イスラム国家である。
古くから激しい血潮を持っていたことは、モーゼの十戒で解るが、宗教戦争を興したことでも分かり、キリスト教に負けたことで表舞台から退いた。それでも敗けを認めたのは表面的であり、オスマン帝国を精力的に影で支え、欧州への返り咲きを目論んでいた。それすらも、スパルタ民族に蹴散らされ、武器商人を確立する。
日の本の國にも、武器商人で成り上がった者がいるが、その習性をコウモリと観るか、世渡り上手? と観るかは、個人の感性で決めるべきで、損得勘定で動くのが、ユダヤ人という印象を遺した。世界を金融で繋ぐユダヤ人は、どこか信用が措けないが、現物(金)を握る強みは絶大だった。
金で繋がる組織の弱みは、金の切れ目が縁の切れ目? という関係性に尽きることはある種、人間の本性を暴き、ものごとの中心が自身であることを晒している。身近に重ねれば、おおよその人間が理解できるから、多分、深層心理にあることが事実だろう。そこに仏心を顕すことは、二重人格者であり、コウモリ気質となるのである。
多くの戦争を起こし、多くの犠牲者(関係ない一般人)を記録する人間支配の歴史は、繰り返すことで憎悪を募らせているし、勝ち負け以前に、回避を模索できないことを、世間様に知らしめたのが、太平洋戦争と云われる第二次世界大戦だった。冷戦時代は、心の保全と視られるが、情報の盗み合いに終始したが、戦争を捨てたはずの国で小競り合いになることで、戦争を避けた感がある。その国が、民主主義法治国家の日本であり、他国籍人の死亡が、闇に葬られている。
そして、物語の中で起る殺人が、現実社会を物騒にした挙げ句に現実となり、ニュースを賑わし始めた。
大分大雑把だか、現実の彩りが変光するのに連れて、人間の心が消耗した挙げ句に、機能停止に陥ったことが解って貰えたはずだ。
十二
アメリカを資本主義経済と云う所以は、買収を成立させれば、和解となり被害届を取り消せる。必要な金を揃えれば悪意さえも取り消せるのである。その思想が、自由という権利を主張できるものであり、貧富の差を埋めるための知恵(目標設定)を必要とし、目には目を歯には歯を(復讐)という間合い(距離)で立ち向かうことを認めている節がある。
例にするべきではないが、敢えて例えるならば、同時多発テロを知っていながら、阻止を図らなかった。攻撃するための犠牲を待ち、徹底的に叩き潰したのだ。それを民族性とするには、誇りを傲慢に表現するわけだから、立ち位置が上という勘違いから始まっている。負ける屈辱に固執するあまり、敬意を捨てることで、
神=自由? という解釈が、正しいものならば、なぜ悪魔が存在するのかには、到底たどり着くはずもなく、死後の世界はないものと割りきって生命を終わらせるのだ。知恵の価値を自ら下げたのは、世の中から蔑まされた、ユダヤ人の被害妄想社会と云うしかなく、善幸から阻害された感性が生み出したものが悪夢でしかないようだ。
その素性に敵対するのが、北欧神話を祖先とする北の民族であり、これもまた、欧州に取り込まれた民族で、革命を成功させるほどの知識人である。かのイエス様を排出した背景は、王公貴族が打ち出した矯正力に抗うためであり、先進国の礎となる知識を備えていた。だがそれは、民族間で血を濃くする曰くを薄めた結果がもたらした奇跡だった。生きるための営みを風化させないための知恵は、無限大の可能性の中にあることを教える発明であり、着実に積み上げた努力の賜物となった。
哲学が世間を席巻したのは、人間の素性の奥底に眠る記録をつなぎ合わせる作業を必要としたからである。組織図で解るように、解剖から見えるものを紐解き、その臓器の正常・異常を把握して、元に返す必要に到り、薬が発展を遂げる。薬に必要なものが化学的要素を占めたことで、哲学から科学に移行するのだか、己の居場所に固執する権威を持つ者にとってそれは、地獄行きを宣告されることに等しかった。
必要最低限の知識だけを、教育に取り込んだ理由は、出題者の望む答えにたどり着ける者に与えたものが、知能指数であった。世間様を生き抜くための知識を持つ者の誕生が、快く想わないのはそのためだ。そして、その理不尽を隠すために、省庁を措き、出る杭を打ったのだ。
協調性を合言葉に持つ
「その説明から推測すると、単細胞生命体になるよね?」
「図書館にある生命の進化で誕生するからよね。環奈も実は、隠れ図書館愛好家だった訳なんだね」
「学生時代の環奈は、授業から問題が出題されるんだから、授業を聴き漏らさなければ、ある程度の得点を獲れる、って云ってたよね」
「解らないことを調べるために、数回行った記憶があり、虫さんがその時の記憶を鮮明に甦らせた? 感じかな」
「眼にしたものものを記憶するのは、天性なんです。女神が宿るべき空白は、本人が気付かないうちに
「だから、日本人は賢いのかなぁ?」
「始祖の神武天皇に感謝しなくちゃだね、サキ」
「それでも、本当に必要なことは化学反応であり、薄められたことで台頭する資質なんです。日本人だけでなく、ユダヤ人や北の民にしても、突飛する閃きは、誇り高い想像を生み出しますからね」
「確認するために渡独して、仏国を始め欧州各国を観察して来たらしいからね、
「
「そうだったのか?」
「もしかして、生きることで精一杯で、先人たちの想いを受け継げなかったかも知れないよね」
「だとすると、王制度がもたらした
「余裕を与えるために発明に勤しみ、老を労ったから寵児であり、笑顔が花開いたように、彩りを深めたと、
「でしたらば、アメリカ大統領狙撃事件は、個人的恨みを晴らす行動で、その責任に措いて射殺されたことになりますね」
「それだと、50点です」
「なんでよ?」
「露国が、ウクライナに進行したから、ウクライナは世上に援軍を求めました。その理不尽を認めたから、世上が味方したのです」
「だから、米国は、援助を続けるんでしょう。そこに悪意があるならば、ウクライナに疑惑を抱くしかなく、虐められっ子に責任を問うことになるわよ」
「同じユダヤ民族である、イスラム国が戦争を興したのが承認欲求ならば、世論を巻き込んで、第三次大戦に結び付きます。そうなると当然のごとく、露国は最終兵器の使用を決断します。だとしたら、罪もない人間の被害者は膨れ上がります」
「そこまで見通す余裕がなかったのでは?」
「ウクライナ大統領が国連会議に出席できるのは、世上からの援助武器で、持ちこたえたからです」
「世上が味方することを当たり前に想えば、平和の祭典への妨害行為に出る可能性が生まれますよね。それがユダヤ民族の傲慢ならば、五輪の恨みを行動に出す可能性も生まれる? ってことなんですね」
「一連の騒動が、影の支配なら、ひとつひとつを独立させることは危険と云うことになりますからね」
「それらを繋ぐものが、ユダヤ民族と観るならば、でしょう?」
「そうです。日本人もそうですが、一握りの悪が全てではありませんし、回避するための発想が生まれる可能性もあります。そこまでたどり着ければ、95点と観るべきですね」
「良かったね、環奈。ちょっと面倒だけど、命の犠牲を生まないために、一緒に頑張ろうね」
「うん、人間が人生を全うできる世の中に戻そう! そして、産まれたことを自慢できる社会にしよう」
環奈は云い、瞳を輝かせていた。
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