第7話 引越しとペアの魔法少女
私はあれから一週間経ち、されるが
まぁ、狭いアパートに住んでいたから荷物とかは生活用品のみだったので、そこまでの大荷物は無かった。だが冷蔵庫とかは古いと言われて「こちらでどうにかしますね?」なんて言われて、しまって私はタジタジだった。
そんなこんなで、本部近くの高層タワーマンションのお値段高めの高層階に来たわけなんだが
「いや、これはちょっと凄いの一言だね。」
『そうかい?そこまで広いとは思わないけれども?』
そんな会話をしていて、ペンちゃんは普通だろう?なんて平然とそう言ってのける。いや精霊界どうなってんの?それにペンちゃん何気にすごいこと言ってる気がするんだが?
それはとりあえず、無視して前にいる目を輝かせている星ちゃんに私は尋ねる。
「ねぇ?星ちゃん。ほんとにここに住んでいいの?それに私前の会社とかどうなったかまだ聞いてないんだけど?」
「別に大丈夫だよ?お母さんが無理やり美波さんに宛がっただけだから気にしなくていいよ。それと美波さんの仕事?お客様相談センターだっけ?それはこちらで引き取る形で、辞めてもらってるから、もう行かなくていいんだよ?」
「ええ!?じゃあ私は職をなくしたってことなの!?それにお金を借りっぱなしはなんだか嫌だよ!!」
そう言って、今までやっていた仕事を奪われて焦り出す私に星ちゃんはニコニコしながら私に言ってきた。
「美波さん―――これを見てください。」
「えっと?なんですかこれ?」
私は1枚の髪を覗き込み見る。そこに書かれていたのは、ちょうど一週間前に解決した。災害B級の魔獣の群れを倒した記録と、その報酬が記されていた。それを見て私は、そこに書かれている内容に驚きの一言を叫ぶ。
「なに何?被害及び事前に災害を一人で魔獣を防いだ功績とゲートの破壊その実力はSランク認定された事で、この部屋の所有権と幾許かの報酬300万!?を貸し与え....る。」
「そういうことだからここの一角は美波さんの物だから大丈夫!!それにね。お婆ちゃんがここのオーナーだから、今度挨拶に行こうね。」
「ッ!!」
そう星ちゃんに言われて目を見開き驚く。
今までこんな大金やこんな豪華な家そして何よりも一般庶民がそんな今まで貰ったこともない金額と報酬に頭がついて行かないどころか、夢に近い?ような光景に今更ながら脳がパンクしそうだ。
そして追い打ちをかけるように、にこやかに私にもう1枚の紙を見せてくる。
「美波さん、それでね。魔法少女は2人1組の体制が基本なんだよね?それで…ね?その知らせが届いたんだけど、これ♡」
そう言われて渡された紙を見て、私は星ちゃんを見る。そこに書かれていたのは
「テスタの私とステラである星ちゃんを今後ペアとする――――」
その手紙を読み終わる前にニコニコしながら私をのぞき込むように星ちゃんは告げる
「――――それじゃあ、よろしくね。美波ちゃん!!」
「なんで、どうして!!大人の私が流されてるんだ!!」
私は防音機能が優れた家のリビングで自分の流されっぷりを叫ぶように大きな声を上げた。
✡ ✡ ✡
話し合い?が終わり、「今日は用事があるからまたね。」と告げられて星ちゃんは私の引っ越した家から出ていく。それを複雑そうな顔で見送る私は、今リビングの高級そうなソファに座って項垂れていた。
「ウァァ〜なんかどっと疲れましたよ?今日はなんか色々とありすぎて頭がクラクラしそうです。」
『大丈夫かい美波?僕も手伝えることがあったら言うんだよ?』
「うん、ありがとペンちゃん。一先ずは魔法少女関係のことは片付いたと思うから良しとしてこれからどう私の事や今後の事を決めていくかだよね。」
私はそう言って考え込んでいると、ペンちゃんから一言
『美波は魔力操作はもうほぼ完璧と言っていいぐらいに備わってきたから、次はそれを他人に与える形を練習すればいいと思うよ?無機質なものと美波の肉体の他の人体じゃ勝手が違うから、そこを磨けば、暴走なんて滅多に起きないと思うよ。』
「ほぇ〜そうなんだね。付与は確かに無機質な武器や空間だけにしてたから人体を対象にするのは、それなりに信頼出来る人が見つかれば頑張ってみようかな。」
そうペンちゃんは私に今までの償いからなのか詳しく教えてくれる。それは私という存在を気に入ってのことなのか、それとも私に棲みつくもう一つの魂を気にしてなのかは分からないが、それでも私を気遣うペンちゃんに私は嬉しく思えた。
「そういえば、明日本部に来るようにこれを持たされたのよね?まぁ、恐らくだけど今後の方針とかの説明だとは思うんだけど、魔法少女姿で言って大丈夫だよね?」
『うん、平気だと思うよ。それに今の美波なら今後の事も凡そ把握できるよね?』
「うん、そこは大丈夫だよ。星ちゃんから嫌という程に聞かされたからね。」
私は、魔法少女として連絡を知らせる端末を見ながらそう呟く。奇跡を起こす魔法少女、だけどなんの代償もないという訳ではなく、たまに起きる暴走やそういった思春期特有の悩みから
それに該当するかは分からないが、彼女の話を聞いた時に感じた。異様なまでの悲しみは、私に作用する様に流れ込んできた。そんな想いを引き継ぐのか其れ共、突き放してこのままの状態にし続けるのか、私は決めないとこの
そう私は、静かに想いを込めるのだった。
✡ ✡ ✡
そして翌朝、私は魔法少女協会支部の一室に星ちゃんと共に、向かう。
「今日も、テスタは綺麗ですね。その姿を思い描くなんて流石ですよ。それに変身を解いた時のギャップがもうたまりませんね!!」
「あはは、ステラさんは相変わらず私のことが好きですね。最初は何を考えているのか分からないと思ってましたけど、今はそのポジティブに私と一緒に居たいと言う思いが分かります。だけど、私は女の子に恋愛感情は無いですからね。そこは覚えておいてください。」
「ええ、分かってます。だけど私は諦めませんからね?ペアになった以上私は突き進みますから、覚悟してください。」
そう言って、私を逃すまいと
私はそれを見てやれやれと思いながらも、
そこに居たのは、他の恐らく私を含めたSランク級の魔法少女が長机の至る所に置かれた椅子に、バラバラに座っていてそのモニター前に居る麻里さんとその隣で控えている女性が私たちを見て頷き、麻里さんが声を上げる。
「それでは、皆さんが揃った所で今後の話に着いて話し合いましょうか。」
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